Kyoto Shimbun


環境を考える
リサイクルよりリユース

 酒やジュースの瓶を繰り返して使う「リユース」。再資源化にエネルギーが必要な「リサイクル」よりも環境に優しいと言われている。しかし、私たちの暮らしをみると、瓶の使用は減り、一方でペットボトルや紙パックなどリサイクル商品が増えている。環境重視の商店や消費者団体などが、リユースを進めるデポジット(預り金払い戻し)制に取り組んだり、リユース優先を盛り込んだ容器包装リサイクル法改正を目指し動き出している。(社会報道部円城得之)

瓶回収で工夫
デジポットや容リ法改正へ

 京都市上京区の酒店「鵜飼商店」=鵜飼裕朗社長(55)=では、清酒の一升瓶を売る時にシールを張っている。客がシール付きの空瓶を店に持参すれば10円を渡す。少しでも瓶の利用を促そうとの試みだ。京都上京小売酒販組合に加盟する45店が2001年から取り組んでいる。

 本来のデポジット制は、商品の値段に預り金を上乗せして販売し、空瓶と引き換えに預り金を返す仕組み。同組合の方法は預り金なしだが、鵜飼社長は「上乗せすれば商品は売れないだろう。まずは、びん利用の意識を高めてもらいたいので続けている」と話す。

 京都市内を中心に組合員約4000人が加入する生協エル・コープ(南区)は、瓶入りの牛乳(195円)に、100円のデポジット料金を上乗せして販売している。牛乳瓶の回収率は98%だ。しょうゆやケチャップの瓶でもリユースを進めているが、デポジット制ではなく、回収率は60−70%にとどまっている。

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リユース促進のため、シールを張って一升瓶を販売する酒店(京都市上京区)
 ▽意識浸透せず

 同生協の黒岩卓美専務理事(53)は「組合員だけの流通網だから、デポジットはうまくいっている。一般消費者を対象に広く実施するなら、法律などでやらないと難しいだろう」と、消費者にリユース意識が浸透していない現状から見通す。

 瓶の利用は年々、減少している。清酒の一升瓶は、一九九五年に四億六百二十四万二千本だったのが、二〇〇一年には二億二千九十一万本と半分近く減少している。ビールやジュースでも同様の傾向だ。

 清酒は、大手酒造メーカーの多くが紙パックでの出荷を進めている。ビールは九八年に缶が瓶を抜いた。ジュースもペットボトルの使用が大幅に増加している。

 伏見区の洗瓶業「吉川商店」(伏見区)の吉川康彦常務(41)は「ペットボトルや缶をリサイクルしているから、それで良しとする風潮になっている」と残念そうに話す。環境の取り組みは、まず省資源の「リデユース」、そしてリユース、最後にリサイクルという仕組みであるべき、との考えからだ。

 瓶のリユースとペットボトルのリサイクルを、製造、運搬、再使用、廃棄などで総合的に比較すると、リユースはエネルギー使用量や二酸化炭素排出量、廃棄物量などの点で、環境への影響が少ない、とされている。

 ▽企業負担増を

 「容器包装リサイクル法はリサイクルだけを助長し、リユースなども含めた循環型社会の形勢を妨げている」。エル・コープも参加して十月四日に発足した「容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク」(東京)は、こう主張する。

 容リ法は、瓶やペットボトルなどの分別収集を自治体に課しており、事業者にとっては業界だけで処理費を負担するリユースよりコストが安い。こうした事情があって、事業者はリユースよりリサイクルに傾く要因になっているという。

 同ネットは「リサイクルで事業者負担を増やす『拡大生産者責任』を適用し、デポジット制などのリユースを優先するよう国に求めていく」としており、容リ法改正案の国会提出をめざし全国で署名活動を展開していく予定だ。(2003年10月10日掲載)


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