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Kyoto Shimbun 根を張る「不耕起栽培」
冬に生態系回復 収穫面で課題も
不耕起栽培は、農薬や化学肥料を使わない自然農法の一つとして10年ほど前から始まった。滋賀県では、湖東地域や朽木村などで約40戸が取り組んでいる。京都府でも宇治田原町などで実践する農家がある。ほ場整備や農耕機械の大型化が進んで、一般的な田んぼでは農閑期に水を抜いて土を乾かす。しかし、不耕起田は雑草対策として冬に水を張る。
近助教授は「不耕起の田んぼの上空にだけツバメが群がることもあった。土を掘り起こさず、冬も水を入れることで、タニシやドジョウも越冬できる。多様な生き物が暮らしていける環境が、できているのかもしれない」と話す。 ガンやカモなどの冬の渡り鳥が多い東北地方では、鳥の休憩地としての不耕起田の役割に注目が集まっている。滋賀県でも東近江振興局などでつくる「東近江環境保全ネットワーク」が、不耕起田の生き物調査を企画しており、多くの生き物が暮らす場として見直され始めた。 近江八幡市の高校教諭、中村治一さん(46)は5年前から自分の田んぼで不耕起栽培を実践し、田んぼに住む生き物を調べている。年を経るにつれて生物の種類は増え多様化しているといい、「減農薬が環境保全型とすれば、不耕起は環境創出型の農法といえる」と位置づける。 一方、不耕起栽培には、雑草が生えやすい、田によっては収穫量が安定しないという課題もある。京都府や京都市によると、実験的に取り組んだものの、除草作業が面倒で断念する農家も多いという。また、冬期湛水は水利権や水源の問題などもからみ、実施できない農家もある。 滋賀県八日市市の農業中岸希久男さん(53)は、自分の田んぼだけでなく安土町や大津市の田んぼを借りて、不耕起栽培に取り組んでいる。「不耕起栽培は周囲の理解を得るのが大変」というが、一方で得られる喜びは大きいと話す。「ドジョウやホタルなどの生き物が暮らす田んぼは、人間にとっても大切な場所。少しでも不耕起栽培の面積を広げていきたい」(2004年2月13日掲載) ◇INDEX◇ |