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Kyoto Shimbun 砂防ダム建設に警鐘
保護団体「繁殖に影響」 自治体「防災上は必要」
「昔はオウサンショウウオもようけおった。このごろは全然見ない」と、川岸に住む主婦は手を横に振った。徳本さんは「砂防ダムが邪魔して産卵場所に上がれず、繁殖できなくなったのだろう。災害防止のために必要な面もあろうが、生息調査を通じて、次々建設される砂防ダムに警鐘を鳴らしたい」と話す。
京都、滋賀の両府県の砂防課によると、砂防ダムのある渓流は、府内で約300カ所、県内で約370カ所。一方、土砂災害の危険渓流は、府内に約2320カ所、県内に約1420カ所あり、整備が必要としている。 登山家や釣り人らの約60団体でつくり、砂防ダムに反対する「渓流保護ネットワーク」(事務局・長野県松本市)は、砂防ダムの問題点を次のように挙げる。▽魚や生き物が行き来できなくなり繁殖や生息を妨げる▽砂が供給されないため、海岸や川底が浸食される▽コンクリートの劣化で維持に膨大な費用がかかる▽災害時の土砂流出量の算定は難しく、防災上の効果が疑問視される−など。 これらの批判を受け、両府県の砂防課は環境に配慮して、対応を始めている。生き物の行き来ができるよう、鋼鉄製の巨大なジャングルジムのようなタイプや、川の部分に穴を開けた砂防ダムも採用。同時に、土砂災害の警報体制を充実させるなど、ダムに頼らないソフト対策も同時に進めている。 しかし、滋賀県砂防課の杉本吉二郎課長補佐は、「反対のあった志賀町の砂防ダムも、下流域を掘れば過去の土石流で運ばれた巨大な岩や倒木が出てくる。住民の生命、財産を守るうえで、砂防ダムは必要」として、建設継続の立場を崩していない。 渓流保護ネットワークの田口康夫代表(55)は「山奥に建設されるので目立たないが、砂防ダムは数がべらぼうに多い。環境への悪影響は貯水ダムの比ではない。土石流の危険地域には住宅の建設を制限するなど、ハードに頼らない災害対策が必要だ。費用対効果の面からも、これ以上砂防ダムを作るべきではない」と批判している。(2004年3月9日掲載) ◇INDEX◇ |