Kyoto Shimbun


環境を考える
家庭の自然エネルギー利用

 ゴールデンウイークが過ぎて冷房が心地よくなってきた。電力使用量の増える季節だ。近年、太陽光エネルギーを利用して余った電気を電力会社に売ったり、風力発電にチャレンジする家庭が増えている。技術が進んで導入コストが下がり、消費電力の少ない電球も発売されるなど、自然エネルギー利用の壁が少しずつ低くなり始めたようだ。自然エネルギーを利用する人たちに効果や課題などを聞いた。(社会報道部 太田敦子)

太陽光・風力・新燃料
利用の壁 徐々に低く

 滋賀県志賀町のJR和迩駅前の民家。屋根を見ると、風力発電用のプロペラと太陽光発電用のソーラーパネルがくっついている。ひさしの下には、発光ダイオード(LED)の街灯が。所有者の上田博志さん(38)は「小さいけれど夜間は結構明るくて助かる」と話す。消費電力は通常の10分の1程度。電気が余っているため、防犯用センターに利用することも検討中だ。

 上田さんに導入を勧めた京都市下京区の建築士中谷良作さん(62)は「市街地では強い風がなかなか吹かない。安定した利用や電気代節約など過大な期待を抱いて導入されたら困るが、(消費電力が小さくても光る)LED電球のようなものが広がれば、家庭に風力発電を導入しやすくなるのでは」と話す。

 家庭用の風力発電機は、価格を従来の半分以下に抑えたキットが今月、新たに発売されるなど、市場は少しずつ広がっているという。

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風車とパネルを組み合わせた発電装置。バッテリーにためた電気を街灯に使っている(滋賀県志賀町)
 太陽光発電は風力よりも家庭に浸透している。太陽光発電の利用者らから余剰電力を購入している関西電力によると、1993年度の購入量は5MWhにすぎなかったが、この10年で右肩上がりに伸び続け、2003年度には3万9047MWhを記録した。

 京都市山科区の山本哲朗さん(43)は5年前、家を新築した際に太陽光発電を導入した。山本さんは「装置の価格がだいぶ下がっていたし、電力会社の電気料金と同じ単価で発電した電気を買い取ってもらえるようになったのが大きなきっかけ」と話す。初期投資は給湯器などを含めて約300万円。投資分を回収するには約20年かかるが、月々の光熱費はほぼ半分になった。

 おがくずから作る新燃料「ペレット」を広げようとしているのは、NPO法人(非営利活動法人)「ペレットクラブ」(京都市下京区)だ。小島健一郎事務局長は「供給は順調に伸びているけれど、需要はまだまだ」と話し、灯油の3倍はするコストを当面の課題に掲げる。「生産者によってペレットの大きさや素材などが異なっているが、それを標準化してストーブやボイラーの燃料として浸透させたい」と夢を膨らませる。

 国は自然エネルギー利用の促進政策をとり、2002年末に電気事業者に新エネルギー利用を義務づける法律(RPS法)が施行された。

 関西電力は年間6.1億KWh(2003年度分)の電力を、太陽や風力、バイオマスなど自然エネルギーで調達することが義務づけられた。今のところ調達の六割は、自治体や事業者の焼却炉を利用した廃棄物発電。一般家庭などでつくられた太陽光からの調達は、わずか六%だ。

 自宅に太陽光発電を導入した山本さんは「自然エネルギーは災害時の非常電源にもなる。利用する人がもっと増えて、ピーク時の電力量が抑えられるような時代になれば」と話す。(2004年5月11日掲載)


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