Kyoto Shimbun


環境を考える
今年の日本、なぜ異常気象

 異常気象が続いている。昨年の夏は涼しい日が続いたが、今年は一転、猛暑の夏となった。初夏や秋には台風が次々と襲来。10月20日に本州に上陸した台風23号は、宮津市や舞鶴市など近畿北部に深刻な被害をもたらした。海外でも欧州は猛暑、米国や中米諸国はかつてない規模のハリケーンに次々と襲われた。異常気象の背景には何があるのだろか。(社会報道部 日比野敏陽)

大型台風頻発
連日猛暑の夏

 台風は赤道付近の海で発生する。温度の高い海水から立ち上る水蒸気をエネルギーとして発達し、勢力を拡大しながら北上していく。一般的には、北上に伴い海水温が低下すれば、勢力は弱まっていく。

 近海の海洋温度が上昇

 しかし今年の台風は様子が異なった。発生数は11月2日現在で24個と平年並みだが、本州には過去最高の10個が上陸した。

 西日本だけでなく東北や北海道にも強い風による被害をもたらした16号をはじめ、いずれも本州に上陸してから長時間、強い勢力を保ち続けた。こうした現象は海水温の上昇と関連があるのだろうか。

 気象庁の観測では、南西諸島周辺や九州南部周辺の今年の海洋水温は6月が0.5度、7月は1度、それぞれ平年より高く推移していた。

写真
京都府北部を襲った台風23号。由良川はあふれ、バスやトラックが水没した。海洋温度上昇は台風の勢力にも影響を与えている(10月21日、舞鶴市)
 気象庁海洋気象情報室の調査官山際龍太郎さんは「台風の上陸数が多いのは高気圧の配置の影響が大きい。勢力が強かったのは今夏の猛暑で本州沿岸の海水温が上昇し、影響を与えた可能性はある」と指摘する。

 温暖化影響で今後も?

 「太平洋中央部に現れた『エルニーニョもどき』。これが今年の異常気象の犯人だ」。東京大理学研究科の山形俊男教授(大気海洋気象学)はそう指摘する。

 エルニーニョは通常、クリスマスの季節にペルー沖の西太平洋で海水温が上昇し、世界各地に異常気象や大雨をもたらす。山形教授らの調査では、今年は7月ごろから日付変更線よりやや東側の太平洋中央部でエルニーニョを思わせる海水温の上昇が起こっているというのだ。

 このためフィリピン沖など周辺海域で急激な上昇気流が発生。その影響で日本周辺では高気圧が強まる現象が起き、地表や海面の温度が高くなる結果になったという。

 エルニーニョもどきで、フィリピン沖では上昇気流ができ、早くから台風の発生しやすい状態になった。初夏には太平洋高気圧が未発達だったため、台風は容易に日本列島に近づけた。山形教授は今年の異常気象のメカニズムをこう描き、次のように警鐘を鳴らす。

 「地球温暖化は特に熱帯の海洋温度を上昇させるため、エルニーニョもどきの現象は今後長引くだろう。地球規模では雨が降るところと降らないところが大きく分かれるなど、極端な気象現象が起こる可能性が高い」(2004年11月9日掲載)


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