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Kyoto Shimbun
シイ急増や獣害…京の紅葉ピンチ
保全の取り組みは難航 山の放置で景観に変化 東山連峰を5月ごろに見やると、もこもことした黄色い木が山腹を覆っているのに気づく。「開花した常緑樹シイです。放っておけばいずれ全山が覆われ、秋でも濃い緑のままとなるはずです」と林野庁京都大阪森林管理事務所の村上幸一郎所長はいう。 シイは特に東山で拡大している。成長が速いうえ、日陰でもよく育つので、この木が増えると森林のなかが暗くなる。伴って、日光の必要なカエデやコナラなど落葉樹が育たなくなってしまう。
三山の主役だったアカマツが1970年代以降にマツ枯れで大量に枯死したことも拡大の一因とみられる。 京都府立大の調査では、昨年の東山のシイの分布は化石燃料が使われ出した前後の1961年に比べ、約3倍に広がっていた。 近年、行政当局はシイの間伐に乗り出している。京都大阪森林管理事務所は昨年3月、高台寺山(東山区)で試験的にシイを伐採し、カエデやヤマザクラの苗木を植えた。しかし同様に間伐を進める府林務事務所は「大きなシイは伐採に特殊な機器や技術が必要で、切りたくても切れない」といい、独自に景観保全に取り組む高台寺も「民間でシイを切るのは費用がかかりすぎる」と苦慮する。 錦秋が多くの観光客を魅了する嵐山(西京区)も将来が危ぶまれている。悩みの種は増え続けるサルとシカだ。地元の嵐山保勝会と国は毎年合同でカエデやサクラ、アカマツを植えているが「若芽が見事に食べられる。後継樹が育たなければ、現在の景観は維持できなくなる」(京都大阪森林管理事務所)。
森林景観に詳しい京都府立大農学研究科の田中和博教授(森林計画)は「気候的にみれば京都でシイが増えるのは自然なことで、一概に悪いこととは言えない」とする。そのうえで「三山の景観は人が山を利用したり、植樹したりしてきたからできたもの。京都らしい風景を残そうとすれば、これからも絶えず人が手を入れていく必要がある」と話す。 伐採や植樹、獣害対策など、景観保全に新たなコストが求められる時代になった。その費用を誰がどれだけ負担するのか。三山の紅葉を守るためには、市民の理解と合意も必要になりそうだ。(2005年9月20日掲載)
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