Kyoto Shimbun


環境を考える
京の街 銀輪の都に

 環境にやさしい乗り物として近年、自転車が脚光を浴びている。京都市では環境NGO(非政府組織)が全国初という本格的な「自転車マップ」を作り、また自転車活用を広げるNPO法人(特定非営利活動法人)設立の動きもある。一方、駐輪場不足やマナーの問題など、指摘され続けている課題は消えない。サイクリングが心地よいシーズン。「自転車都市・京都」の可能性を取材した。(社会報道部 目黒重幸)

自転車NPO設立へ
駐輪場不足など消極的な行政


 「京都は自転車に持ってこいの街」と活用推進派は口をそろえる。起伏が少なく、規模もこぢんまりとしているうえ、細い通りが多い。自転車を生かした街づくりに取り組む「京都サイクリングツアープロジェクト(KCTP)」の多賀一雄さん(38)は「全国の主な都市で自転車を使う市民は10%ほどだが、京都市は倍以上の25%に上る」と言う。

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しないことから、近年は環境や健康意識の高まりも追い風になっている。  そんな人たちに銀輪ライフを楽しんでもらおうと、NPO法人「環境市民」が今月「京都自転車マップ・まちなか版」を作り、市内主要書店で1000円で発売した=問い合わせTEL075(211)3521。

 地図に「お勧めコース」「走りやすい道」「走りにくい道」を示し、駐輪場や自転車店、トイレも明示した。スーパーも書き込んである。環境市民自転車チームのリーダー藤本芳一さん(40)は「通勤通学や買い物など、ふだんの生活にも活用できる」と胸を張る。

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お勧めコースや駐輪場を掲載した「京都自転車マップまちなか版」。近く郊外版も発行予定という

 来月には「1万人の京都自転車散歩」というイベントが開かれる。市内8カ所でレンタサイクルを使ってツアーを催し、自転車の魅力を多くの人が体感して、脱自動車を進めようという計画だ。

 利用拡大に向け、京都市で最大の課題になっているのが駐輪場不足と専用道など道路の未整備だ。利用環境の改善へ、自転車好きが集まってNPOを作ろうという計画もある。自転車マップを作った藤本さんもメンバーで「京都市の自転車行政は不法駐輪対策ばかり。街づくりを進めるためにも、NPOを作って利用者が声を上げる必要がある」と設立動機を話す。

 しかし行政の姿勢は消極的だ。駐輪場や専用道整備について、担当の京都市放置車両対策課と道路維持課は「今は財政的にも厳しく、特に市街地は用地確保が難しい」と判で押したように答える。

 KCTPの多賀さんは「市営駐車場の一部を自転車用に転用したり、車道に線を引いたうえで不法駐車の取り締まりを強化したりすればコストもかからない」と主張。「国内の先進的な都市は市長や知事が旗振り役となっている」と首長の意識改革を訴える。

 利用者のマナーの問題もある。環境問題に取り組む京のアジェンダ21フォーラム、自転車タスクチームリーダーの山田章博さん(46)は「駐輪にコストがかかるということが常識になっていないので、不法駐輪が後を絶たない。荒く危険な乗り方をする人も多く、自転車を白眼視する向きもある」と指摘する。設立予定のNPOではマナーの講習にも力を入れる予定だ。

 環境市民の藤本さんは「京都は世界的にも知名度が高く、ブランドがある。ここが変われば他都市に及ぼす効果は大きい」と話す。京都議定書が生まれた地だけに、京都市は自転車都市の先駆け役が期待されている。(2005年10月18日掲載)


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