|
Kyoto Shimbun
原油高、節約生かし脱石油
京都の取り組み 銭湯、廃材燃料 通勤、車より電車 京都府統計課生活係によると、原油高に伴い府内のガソリン、灯油の小売平均価格は昨年から上昇を続けている。レギュラーガソリン(1リットル)は2年前のこの時期104円だったのが、今年11月は131円と近年最高値を記録。灯油(18リットル)も昨年はほぼ1000円あまりで推移していたのが、先月は1400円台に近づいた。 京都市上京区の「京極湯」。オレンジ色の炎が揺れるかまに、次々と柱やはりの木片が投げ込まれる。大半の銭湯が重油で湯を沸かすなか、ここでは建築廃材を燃料に使っている。 かつては重油も使っていたが、経営者の高村諄一さん(60)は「1年半くらい前に比べ重油の値段が倍近くになっていて、ひと月の燃料代で10万円くらい違う。とてもやっていけないので、うちは廃材のみを使うことにしている」と語る。
北海道ではまきストーブが爆発的に売れるなど、重油や灯油の値上がりで昔ながらの森林資源が見直されつつある。森林エネルギーの普及に取り組む京都の環境NGO(非政府組織)「薪(しん)く炭(たん)くKYOTO」の松田直子代表は「エネルギーの地産地消が進むのはいいこと。このような動きが広がれば政策提言もしやすくなる」と歓迎する。 ガソリンの消費を控える動きも見られる。京都市北区の会社員(37)は今年9月、オートバイの免許を取得した。外国製4駆車に乗っていたが、燃費は1リットル約4.5キロ。ガソリン高が負担になっていた。「オートバイなら1リットルで30キロ走る。車に乗るのは家族と一緒の時だけだ」と話す。 京都トヨペット営業本部によると、低燃費で知られるハイブリッド車「プリウス」は好調な売れ行きを続けている。「今年夏くらいから特によく売れており、今は納車まで3カ月待ち」と同本部は語る。 一方で「車に乗るのは習慣の部分が多く、ガソリンが値上がりしても消費量を減らそうという人はそれほど多くない」と府地球温暖化防止活動推進センターの伊東真吾事務局長は指摘する。 伊東事務局長によると、石油燃料の消費量を減らすために大切なことは「適切な情報提供」という。 府交通対策課などが今年10月に宇治市で行った交通実験では、会社員ら約3000人にバスや電車のルート・時刻表のほか、脱自動車の環境・健康面でのメリットを伝えた。そのうえで公共交通機関の利用を呼びかけたところ、実験期間中は鉄道各社の乗客が3割ほど増えたという。 地球温暖化防止に取り組む環境NGO「気候ネットワーク」(中京区)の田浦健朗事務局長は「今は温暖化防止のためというより、安いものを求めて行動しているのだろう」と指摘。「この原油高をきっかけに、市民の省エネ意識を高める取り組みが求められる」と話している。(2005年12月20日掲載)
◇INDEX◇ |