Kyoto Shimbun


環境を考える
黄砂の観測日数急増

 今年も黄砂の季節が近づいてきた。黄砂はこの数年、観測日数が急増し、西日本が中心だった観測地点も全国に拡大している。中国内陸部や中央アジアでの急速な「砂漠化」の進行や気候の変化が原因とみられており、国際的な共同研究も始まっている。(社会報道部 日比野敏陽)

砂漠化進行、拍車に
中国内陸部 中央アジア 土地の利用法影響


 「夏は段々畑をわずかに草が覆うが、その後は表土がむき出しで、いつも砂ぼこりが舞っている」。龍谷大の増田啓子教授(気象学)は2005年秋、中国内陸部の黄河中流域に広がる黄土高原を訪れた。黄土高原はタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠と並ぶ黄砂の供給地。黄河によって運ばれた土が積もってできた標高800−2000メートルの地域だ。近年特に土地の乾燥、劣化が激しく、中国政府が植林を進めているが、追いついていないのが実態という。

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 「砂漠化」の主な原因は▽畑作地の急増で土壌が乾燥▽過密牧畜で草原が退化▽過剰なかんがいや地下水のくみ上げ−などが指摘されている。背景には内陸部での人口増や急速な経済開発がある。増田教授によると、中国では毎年24.6万ヘクタールが砂漠化し、200万ヘクタールの草地が退化など劣化。日本列島6個分を上回る面積が砂漠化していることになる。増田教授は「中国内陸部はもともと乾燥しているうえ、不適切な土地利用がさらなる乾燥化に拍車をかけている」と推測。「カザフスタンなどではカシミヤヤギの過密放牧が増えており、草地が回復する間もなく荒廃する。この地域の砂漠化、乾燥化も急速に進んでおり、黄砂の原因はさらに増加している」と懸念する。

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 黄砂は古くからの自然現象で、中国の歴史書や韓国の古文書にも記述がある。しかし気象庁が1967年から全国108カ所の気象観測所で続けている観測では1980年代後半から黄砂が急増。それぞれの地点で観測された日を合計すると、88年以降はほとんどの年で300日を超過し、2002年には過去最高の1132日を記録した。中国沿岸部の大都市では黄砂の発生で空港が閉鎖されるといった影響が毎年のように発生しており、日本でも被害の増加は予想される。

 環境省は「もはや単なる季節現象ではなく、人為的な影響による環境問題だ」(環境保全対策課)と黄砂を位置付け、危機感を強める。気象庁も04年から黄砂予報を始めた。国立環境研究所(つくば市)は中国の研究機関と共同で黄砂の観測や発生予測の研究に着手。独自に開発したレーダーで黄砂のルートや量の予想技術の確立を目指している。(2006年2月21日掲載)


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