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Kyoto Shimbun
西淀川に「公害と環境資料館」開館
大気汚染の記憶 世界へ発信 家族会会報やチラシなど 深刻さ生々しく 「おおさかのそらははいいろだ」「みんな、えんとつをなくしてしまえばいいといっています」「ぼくはぜんそくという病気にかかっています。どういうときにせきがでるかというと、よなかがおおいです。せきがでたときはしんどいので、あさ、学校にいかれなくなります」 地元の大和田小の子どもたちは1971年、文集「公害」にこうつづった。入り口に陳列されているガリ版刷りの文集はすっかり黄ばんでいる。大気汚染の深刻さを生々しく伝える貴重な資料だ。 資料館は公害病患者や家族が裁判の和解金で設立したあおぞら財団(公害地域再生センター)が開設した。弁護団の裁判資料(約1万点)や公害、環境問題に関する文書や図書が所蔵の中心となる。一方で、公害病患者・家族の会の会報やビラ、チラシ、会合の文書や新聞記事のスクラップなど、住民の当時の生の声を伝える資料収集にも力を入れている。
病院の薬袋の裏側にびっしりと記された闘病メモ、小学校の健康調査記録、大気汚染で枯れたイチョウの葉もある。財団の林美帆研究員は「大気汚染が人々に社会問題として認識され、公害反対運動になっていく過程は、行政が事後にまとめた公式資料だけでは分からない。公害という前例のない事態に向かい合った住民の姿はビラやチラシ、個人のメモなどからこそリアルに浮かびあがってくる」と話す。 こうした資料をどう生かすのか。財団の森脇君雄理事長は「われわれの公害経験を、住みよい環境を築くために世界に伝えたい」と話す。経済成長に伴い、公害に直面しているアジア各国への情報発信に取り組む方針だ。 全国公害裁判弁護団連絡会議の近藤忠孝弁護士は「公害はいまも世界で起きているが、被害者が被害の自覚を持てないような状況に追い込まれていることが多い。住民が被害に目覚め、克服に動いた記録は世界の共有財産になるだろう」と指摘する。
西淀川大気汚染公害裁判 住民700人が国や企業、阪神高速道路公団などに汚染物質の排出差し止めと損害賠償を求めた最大規模の大気汚染裁判。工場排煙だけでなく幹線道路の自動車排ガスの公害責任も初めて追及したことで注目された。
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