Kyoto Shimbun


環境を考える
進む再生可能エネルギー開発

 石油などの化石燃料に替わって環境負荷の少ないエネルギーの開発を目指し、世界の研究者や企業関係者が集う「再生可能エネルギー2006国際会議」が10月11日から3日間、千葉市幕張で開かれた。環境保護やエネルギーの安定確保の観点から急速に進む再生可能エネルギー研究開発の一端を紹介する。(社会報道部 日比野敏陽)

千葉で国際会議
小規模、分散が特徴

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太陽の向きの変化に合わせて光を集める新型の太陽電池システムも注目を集めた

 国際会議は研究者が発表や意見交換するとともに、研究機関や企業が製品や技術を展示して紹介。世界64カ国の研究者約3000人が参加し、200以上の企業、研究機関が出展した。

 会議を通じて、太陽光発電の研究開発の進展ぶりが目立った。ホンダが自動車メーカーとしては初めて量産化する太陽電池を公開し、注目を集めた。同社の太陽電池は独自開発の新素材を使い、従来の太陽電池に比べて発電効率が高く、生産過程での消費エネルギーも約半分に押さえたのが特徴だという。

 「新しいエネルギーを普及させるためには量産化が必要だが、自動車の生産技術を太陽電池の量産化に生かすことが可能になった。エネルギー部門でも温暖化防止に貢献したい」と開発担当者は意気込む。

 寄せては返す海の波の力でタービンを回し、発電する波力発電をPRしたのは英国スコットランド。北海に面したスコットランドは1年を通して波が高く、波力発電に適した環境だ。こうした環境を生かそうと、地元のベンチャー企業が海に浮かべる形の発電設備を開発、ポルトガルの電力会社が導入を決めている。

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空中に浮く風船。ホンダが開発した太陽電池の電力でファンが回っている。

 スコットランド国際開発庁の塘田美和さんは「ポルトガル北部の一万五千世帯の電力が波力発電でまかなわれ、年六万トン以上の二酸化炭素削減につながる。地域の特性を生かしたエネルギー開発を進めたい」と話す。

 防災や途上国の開発といった観点から再生可能エネルギーの重要性を考えるフォーラムも開かれた。スリランカ出身のモンテ・カセム立命館アジア太平洋大学長は、スリランカで発生した干ばつ時に都市部ではダムからの送電が止まったのに対し、山村は小型の水力発電設備を持っていたため電力を確保した事例を紹介した。「再生可能エネルギーの特徴は小規模、分散。従来の大規模な施設に頼ればライフラインの分断の影響を強く受けるが、再生可能エネルギーの普及で自然災害に強い地域をつくることができる」と強調した。

<再生可能エネルギー>
 大気汚染や地球温暖化をもたらす化石燃料、処理困難な廃棄物を伴う原子力に対し、環境への負荷が小さく、枯渇の危険性が低いエネルギー。具体的には太陽光や太陽熱、風力、小型水力を利用した発電などを指す。ごみを燃やす廃棄物発電はかえってごみを増やすのではないかという指摘も出ている。(2006年10月17日掲載)


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