Kyoto Shimbun


環境を考える
蛍光管回収、出だし順調 京都市

 京都市で10月から蛍光管の回収が始まった。白熱球より省エネといわれるものの、有害な水銀が使われているため、不要になった途端「やっかいなごみ」の代表格になる。年末の大掃除で新しい蛍光管に取り替えるお宅も多い季節。蛍光管のリサイクル事情を取材した。(社会報道部 勝 聡子)

予想上回り月1トン超回収
水銀放出防止へ 拠点増設

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回収拠点に集められた後、運ばれた蛍光管(京都市山科区・市まち美化事務所)

 京都市伏見区の主婦は12月中旬、新しい蛍光管に取り替えた。昨年まで古い蛍光管は新聞紙に包み、家庭ごみに出してきた。「水銀が使われているのに、ほかのごみと一緒に捨てるのは違和感があった」。今年は回収拠点になっている電気店を探し、持って行くつもりだ。

 蛍光管には発光のため微量の水銀が密閉されている。一度、外に放出された水銀は漂い続け、食物連鎖で生物の体内にも入る。地球規模で影響が心配され、国連環境計画は水銀廃棄物の管理など国際的な対策を求めている。

 国内では1983年、水銀を含む身近なごみとして、最初に乾電池の問題が指摘された。厚生省(当時)が使用量を減らし、回収ルートを確立するなど方向性を打ち出した。蛍光管の回収、リサイクルも続いて始まったものの、乾電池のように市民権は得ていない。

 京都大環境保全センターの酒井伸一教授によると、国内の水銀使用量は1990年代以降、筒型乾電池の使用量ゼロ化が実現し劇的に減るなかで、蛍光管の割合が増してきたという。2003年には家庭や事業所に流入した水銀15トンのうち、蛍光管が6・6トンで46パーセントを占めた。パソコンや携帯電話のバックライトなど蛍光管の生産は増加の傾向にある。

 しかし回収、リサイクルに法的な定めはなく、自治体や事業所が独自に対応しているのが実情だ。2005年度は約7万トンの蛍光管が販売されたといわれるが、このうち適正処理されたのは1割から2割で、残りは埋め立てか焼却処分されているとみられる。

 京都市もこれまでは蛍光管を家庭ごみとして消却処分してきた。2003年度に市民アンケートを実施。60パーセントの人が家庭ごみで捨て、15パーセントが独自に回収している販売店に持ち込んでいた。家庭ごみで捨てることに抵抗を感じると答えた人は40パーセント。50パーセントの人が分別収集を希望した。

 市はこうした市民意識を背景に回収を検討。今年10月、ごみ袋有料化の市民還元策として実施に踏み切った。政令指定都市では10番目の取り組みだった。

 回収方法を検討するなかで、地域の電気店に協力を募り、拠点回収を採用した。市循環企画課は「人体、環境への影響を考えれば適正な処理は要る。メーカーには拡大生産者責任があるはずだ。メーカーがかかわる道筋を閉ざしたくない」(南寛課長)と説明する。

 回収は毎月1トンを見込んだが、10月は1・3トン、11月は1・5トンが集まった。市は回収拠点を増やして対応する予定だ。(2006年12月19日掲載)


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