Kyoto Shimbun


環境を考える
エコドライブ 関心加速

 地球温暖化防止策として「エコドライブ」が注目されている。車の使用方法を見直すことで燃費を改善でき、二酸化炭素(CO2)の排出量も減らせる。ドライバーの誰もが参加できる間口の広さに期待は大きい。車で出かける機会も増える行楽シーズンを前に、エコドライブの現場を訪ねた。(社会報道部 勝聡子)

手軽・確実 企業に浸透
マイカーへも普及探る

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【人も車もお休み】 エコドライブに取り組むタクシー会社。研修会から半年。今では休憩中のアイドリングがなくなった(京都市山科区)

 「1年前は休憩の車が10台あれば10台ともエンジンをかけっぱなし。今は1台もありません」。京都市山科区の洛東タクシーで、営業次長の兼山成文さん(59)は車庫を見渡した。

 兼山さんは昨年夏、京都府の講習を受けて「エコドライブマイスター」になった。府が地球温暖化防止条例で50台以上の車を管理する会社に選任を義務付けるエコドライブの指導者だ。京都市にも企業を対象に「エコドライブ推進者」の認定制度があり、普及の一翼を担っている。

 マイスターとして兼山さんはすぐに500人の全乗務員を対象に、研修会を開いた。駐車時はエンジンを切る。急発進、急加速をしない、急ブレーキを踏まない…。府の資料をもとに運転を見直すよう呼びかけた。

 1台ごとに燃費を記録すると、講習前と比べ、昨年12月は平均で10%ほど改善した。1日300台稼働する社で、1台がLPガスを1日30リットル使うとし、年間32万4000リットルの節約になる。CO2を約700トン削減できる。

 兼山さんは「『急』のつく運転はお客さまに快適ではない。安全運転を徹底でき、燃料費も抑えられる。CO2を発生させる仕事のわれわれが温暖化防止のお手伝いもできる。いいことづくめです」と話す。

 手軽さと確実な成果がエコドライブの魅力だ。しかし企業では安全運行やコスト意識を背景に浸透しつつあるが、一般のドライバーへの取り組みはこれからのようだ。

 この3月、大阪で警察庁、経産省、国交省、環境省でつくるエコドライブ普及連絡会のシンポジウムがあった。筑波大大学院システム情報工学研究科の石田東生教授は2001年度をピークに、運輸部門のCO2排出量が減り始めたことを紹介。軽油を使う車が排出量を減らす一方で、ガソリン車の排出量が増えていると指摘し、マイカー対策の重要性を強調した。

 しかしその具体的な対策となると、自治体の担当者も頭を悩ませる。

 京丹後市は急加速や急減速など燃費の悪い運転を指摘する車載器を126台用意し、04年度から2カ月単位で貸し出している。全国でも画期的な試みで、当初の調査では約7割から燃費の改善が報告された。しかし一時は100台近く貸し出された月もあったが、しだいに申し込みは減り、現在は10台を切ることもある。「実践すればよさが分かってもらえる。そこにどう導くのか、アイデアをしぼりたい」(市環境推進課)。業界団体とも連携できる企業と異なり、個々の一般ドライバーを引きつけるのは難しい。

 京都府は運転免許更新時のテキストにエコドライブについて盛り込めないか検討を始めた。京都市は本年度、市民向けの実技講習会を開く予定だ。

≪メモ≫ 日本の温室効果ガス排出量のうち運輸部門は約2割を占める。国の京都議定書目標達成計画によると運輸部門では2010年度にCO2で5490万トンの削減を目指す。乗用車のすべてのドライバーがエコドライブを実践し燃費を1割改善できれば、この約25%に相当するCO2削減が可能だという。

エコドライブのコツは…】  実技講習会を開くなどエコドライブの普及に取り組む日本自動車連盟の京都支部事業課長・佐々木康仁さん(43)はまずアクセルワークをあげる。「車が最も燃料を使うのは発進時。ブレーキから足を離したら、一呼吸おいて徐々に加速する」
 市街地を走る場合、燃料の約4割が発進時に使われる。一気に加速しても、すぐにブレーキを踏めば無駄になる。
 「平地ではアクセルをちょっと踏むだけで加速する。一定以上のエンジン回転でアクセルを離すと燃料を使わずに走れ、またエンジンブレーキも使って、アクセルの踏み加減を一定に保つよう心がけてほしい」
 後続車に急ブレーキを踏ませたり、渋滞を発生させたりしては元も子もない。「自分の燃費だけ考えず、安全を第一に、周囲の状況に合わせた運転を心がけてください」(2007年4月24日掲載)


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