Kyoto Shimbun
「適当」で共存できた山 炭焼き窯を訪ねて、京都市左京区広河原杓子屋に着くと、四月上旬というのに田んぼのあちこちに雪が残っていた。 小畑百(はげむ)さん(六四)は「窯の中にまだ熱があって、炭出しはもうちょっとあと」と申し訳なさそう。窯は土でふたをしたままだが、これまでに取り出した炭を広げて見せてくれた。 炭の原木は、小畑さんの山の雑木林から切り出したナラ、カシ、シデ、クリ、ホウなどで、中でもナラが炭に適しているという。 「雑木林を適当に伐採すると、切った木から芽が出てくる。それを鹿やウサギが食べる。それも適当に食べて、適当に芽を残してる」「それで、山と人、動物が、うまいこと共存してきたんやな。経験で考えただけやけど」
チェーンソーによる一斉乱伐、あるいは何もしない放置。それが山を荒らし、鹿を山から追いやる。小畑さんは「適当」という言葉を何度も繰り返した。(2000年4月14日掲載)
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