Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


命息づく丹後のブナ林

 みずみずしい緑が、心の奥の方まで染み込んでいく。丹後半島、京都府大宮町五十河のブナ林。鳥の声、虫の羽音、風の音に包まれる。落ち葉が積もった山道は、ふわふわ。この落ち葉の下には、恐らく小さな虫や微生物が生きている。

 ブナ林は、どれだけ自然が残っているかのバロメーターと言われる。ブナの実は栄養豊富で、野ネズミや野ウサギ、ヤマドリなどが住み、ふわふわの土壌は雨水をたっぷりと貯えるそうだ。

 隣接する宮津市上世屋と合わせた八十五ヘクタールを、京都府は「丹後のブナ林」として府自然環境保全地域に指定する方針で、調査を始めた。指定されると伐採禁止などの規制と共に、自然に親しむ保全事業が進められるという。

 ブナ林への山道口で離村跡を見た。かつてブナは炭やまきに使われていて、ブナを切った後に萌芽したブナが今の林になったらしい。地元では「あがり」と呼んでいる。(2001年5月11日掲載)


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