Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


「海の森」すくすく

 太陽が揺れる海面から約3メートル潜った。ここは宮津市の栗田半島・無双岬近くの岩礁。透き通った海底に茶褐色のホンダワラ類の藻場が続く。

 藻場は魚の産卵や稚魚の生育の場になるだけでなく、環境への役割も大きい。しかし、近年は藻場が砂漠化する「磯焼け」現象も発生、藻場は全国的に減っている。

 京都府立海洋センター(宮津市)は、4年ほど前からホンダワラ類の藻場造成の技術研究を続けている。ホンダワラ類などの二酸化炭素の固定量(吸収量−排出量)は1ヘクタール当たり約10〜40トンもあり、陸上植物の約10倍にのぼる、という。和田洋藏主任研究員は「藻は体全体で光合成をしますから。まさに『海の森』づくりです」と表現する。

 秋から春にかけて成長する海藻は今の季節、枝が枯れ始める。それでも、小魚がエサを求めたり、コウイカがアオモに卵を産みつける。

 「生命のゆりかご」は、静かに海を守り続けている。(2002年7月12日掲載)


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