Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


温暖化で植物北へ

 電車が京都市伏見区の京阪深草駅に近づいてきた。ホームの下、風に吹かれホウライシダが揺れる。日陰に守られ、たくましく成長している。

 ホウライシダは、熱帯アメリカ原産のアジアンタムの一種で、日本では四国や九州の海岸や川沿いなど暖地に分布する。温室育ちが野生化することもあるが、深草駅周辺でその可能性は低く、見つけた京都植物同好会代表で、環境省委託調査員の田中徹さん=左京区=は「群生地が北上している。温暖化の影響だろう」と指摘する。

 ホウライシダは大阪行きホームの下だけに見られ、田中さんは「微妙な湿度や日照時間などが作用したのでは」と考えている。「駅名が『深草』だけに、やってきたのかも」という推理もある。ともあれ、身近な足元にも、地球環境の変化が顔をのぞかせている。(2002年9月13日掲載)


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