Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


射抜く目で「警告」

 暗闇(やみ)で突然、いくつもの目が光った。車のライトかカメラのストロボに反応したのだろう。こちらの動きをじっと見つめる。午前零時前、京都市左京区広河原から美山町に向かう山里で、エサを求めてさまようシカたちに、次々と出会った。

 全国の山村で、鳥獣による農作物の被害が深刻化している。京都府農産流通課によると2001年度、府内のシカによる農作物の被害面積は464ヘクタール、被害金額は1億4200万円で、年々増加傾向だ。樹皮をはいだり、新芽を食べるため、山の生態系への影響が危ぐされる地域もある。

 猟師さんの減少や過疎化、手入れが行き届かなくなった植林の増加などが背景にある。物の怪(け)のように光る彼らの目は、自然の生態系を乱した人間への警告なのかもしれない。(社会報道部 寺内繭、写真報道部 板東勇。2003年6月13日掲載)


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