Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


長旅待つビワマス

 春を告げる温かな日差しを受け、きらりと小さな体が光った。体長約6センチのビワマスは、昨年12月に生まれたばかり。滋賀県マキノ町の県漁業協同組合連合会の高島事業場で、元気に育っている。

 サケ科のビワマスは琵琶湖の固有種。姿の美しさと味のよさで、昔から湖国の人たちに愛されているが、高度成長期の環境悪化や乱獲で一時減少した。産卵のためにのぼる川は、水量が多く、周りの森は広い。しかし、そうした川は少なくなっているという。

 県の委託で県漁連は高島事業所など2カ所でビワマスを養殖している。「人が手を差し伸べているのはほんの一部。琵琶湖で育ち、再び川に帰るには、自然の環境がやっぱり大事です」。小林眞増殖部長は話す。

 70万匹の稚魚は3月末、県内の河川に放流され、琵琶湖で暮らす。再び戻るのは3−4年後。長い旅が、もうすぐ始まる。(社会報道部 寺内繭、写真報道部 板東勇。2004年3月9日掲載)


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