Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


キノコ受難
環境の変化 心ない盗人

 落ち葉の下から、マッチ棒のような突起が3センチほど顔を出す。土の中でアブラゼミの幼虫の養分を吸い、この時期にだけ見られるキノコ・冬虫夏草のオオゼミダケだ。

 冬虫夏草は環境の変化に弱い。自然の豊かな京都御苑(京都市上京区)でも、今や群落は数カ所しかない。関西菌類談話会の小寺祐三さんは「地球の温暖化や酸性雨で生息地は失われる一方なんです」と漏らす。

 「もう一種類見ましょう」。案内された場所へ着き、小寺さんの顔が曇った。「人の都合でこれ以上、減らすわけにいかないのに…」。あるはずのキノコが根こそぎ盗まれていた。
 (社会報道部 芦田恭彦、写真報道部 板東 勇。2006年4月25日掲載)


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