Kyoto Shimbun


鳥の目 虫の眼


小さな命
はぐくむ“球” 忍び寄る影

 京都市西京区の桂川河川敷。人の背丈ほどに伸びた草むらをかき分けると、草の繊維を編み込んだ球状の塊が目に入った。「カヤネズミの巣です」と生息状況を調査する市民団体の畠佐代子さんが教えてくれた。

 世界最小規模のカヤネズミが歯と手を器用に使って仕上げた。約3カ月で壊れるため、春から秋にかけて、引っ越しを繰り返す。周囲のイネ科の種が格好の餌となる。

 オギやススキの生い茂る桂川河川敷はいわばカヤネズミの楽園だが、近年は治水管理で乾燥化が進み、在来のつる植物や外来種が本来の植生を脅かす。成長しても五センチに満たない小さな命の営みに影が差す。
 (社会報道部 芦田恭彦、写真報道部 板東 勇。2006年6月20日掲載)


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