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 京都新聞は、観光都市京都のパワーアップを目指して企画「観光・京都おもしろ宣言」をスタートさせました。人々の価値観はいま、物の豊かさから心の豊かさに移りつつあります。京のまちは伝統、歴史、自然環境と、どこを取っても格別な魅力をたたえてきました。京都新聞はそうした魅力に光を当て、京都を元気にする紙面を多彩に展開するとともに、フォーラムやイベントの開催、伝統文化体験の案内など、さまざまな「おもしろ」企画を発信していきます。

会議誘致

真の国際都市目指し

同志社大教授・八木匡氏

国際コンベンション都市・京都のシンボルとして期待される国立京都国際会館(京都市左京区)

 日本の都市の中で、京都は世界的な知名度においてトップクラスにあることは間違いないであろう。しかも、単に知名度が高いだけではなく、「一度は訪れてみたい街」という意味においてトップクラスの都市であるといえる。

 都市としての魅力は、会議への参加誘因を高めることになり、その意味において京都は日本の都市の中でコンベンション都市として強い優位性を持っている。世界的に見れば、パリ国際会議場(Le Palais des Congres de Paris)が年間2000以上の会議やイベントを開催、1100万人以上の参加者を引き寄せている。ここが世界でトップレベルの国際会議場であり続けている理由の一つに、パリの都市としての魅力があることは間違いない。そして、パリでは国際会議場の存在によって、年間数兆円の経済効果が生まれている。

 京都がパリのような国際的コンベンション都市に発展するためには、コンベンション都市としての環境整備、国立京都国際会館のハードウエア整備と人的資源への投資が必要である。

 環境整備に関しては、空港からのアクセス時間短縮化と、ホテルなど宿泊施設の収容能力を改善することが必要なだけではなく、長い伝統を有する「京都のおもてなしの精神」をより明確に体現すべく、伝統に裏打ちされた「本物」に触れ合う機会をより効果的に提供するための自治体による観光投資が必要である。また、国際機関、グローバル企業、国際学術会議のような大規模かつ影響力の大きな主催者によるコンベンションを招致するためには、最低4000人から5000人が収容できる大ホールが必要といわれており、ハードウエア面の投資も必要になってくる。

 さらには、国際的なネットワークとリーダーシップを有するスタッフを育成することが、国際的巨大コンベンション誘致においては重要であるといわれており、そのための人的投資の重要性は極めて高くなっている。実際、パリ国際会議場のスタッフは、国際的会議場組織のリーダー的役割を長年務めてきており、世界に影響力のある諸団体と常にコミュニケーションを図っているといわれている。創造的なコンベンション運営の提案能力と国際的なネットワークがコンベンション招致の鍵といえよう。

やぎ・ただし 1959年愛知県生まれ。名古屋大大学院経済学研究科単位満了退学。経済学博士。京都大経済研究所助手、名古屋大経済学部助教授を経て現職。日本経済学会理事。専門は公共経済学。

[京都新聞 2006年4月18日掲載]