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より高い目標で「京都議定書」を |
国立京都国際会館で開かれている地球温暖化防止京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)は週明けの八日から、閣僚級折衝が始まり合意に向けて詰めの交渉が行われる。会議の成否をわけるヤマ場を迎えた。 初日の開会式で小渕恵三外相は、京都会議が「人類の歴史を変え得る十日間」になるよう訴えた。ところが、これまでの会議の経過を見ると、各国間の意見が激しく対立して交渉が難航している。 最大の対立点は、先進国間で二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス削減の数値目標をめぐる立場の違いにある。 EUが一九九〇年比で一五%の削減率を提案しているのに対し、日本は原則五%、米国が〇%で開きが大きいままだ。 米国の主張の背景には、大幅な削減に難色を示す議会の圧力や産業界の反対があると見られる。しかし、最大のCO2排出国の米国が〇%に固執していては、先進国間の合意がまとまらないのはもちろん、開発途上国の理解も得られない。 会議に入って、米国は従来の各国一律削減の主張から国別に削減目標を定める「差異化」容認に方針を転換した。このこと自体は、合意形成のうえで歓迎できる。さらに削減率での大幅な譲歩を米国に求めたい。 閣僚級折衝を前に、クリントン米大統領と欧州連合(EU)のサンテール欧州委員長が会談して、京都会議の成功のため「包括的かつ地球規模の合意」を目指すとの共同声明を発表した。その趣旨が実際の交渉でどのように生かされるか、八日の会議に出席するゴア米副大統領の演説が注目されるところだ。 削減の数値目標がどのように決まるかは、まだまだ予断を許さない。各国をグループに分けて目標を決める構想もあるが、最終合意へ向け各国に歩みよる姿勢をあらためて求めたい。 会議を通じて、先進国と途上国との対立も目立っている。もともと京都会議では、一昨年の第一回締約国会議での合意(ベルリン・マンデート)に基づき、途上国には新たな義務を課さないことになっていた。 途上国に排出規制を義務づけるニュージーランドの提案が、途上国の猛反発をかったのは理由があるわけだ。 しかし、長期的に見れば、途上国にも削減や抑制の努力が求められるのはいうまでもない。ブラジルが提案する「クリーン開発基金」は、先進国と途上国との対立を解消する方法として導入が検討されている。 途上国に削減努力を要求する際には、まず先進国が削減の取り組みを確約することが先決である。そのうえで必要な援助など支援策の具体化を期待したい。 このほか、削減の対象ガスをCO2など三種類に代替フロン三種を加える問題も最終確認を残している。森林によるCO2吸収量を排出量から差し引く「ネット方式」や温室効果ガスの排出枠を売買する「排出権取引」はほぼ採用される見通しになっている。 会期はあと三日を残すのみになった。八日の会議で演説する橋本首相には、より高い目標に向け、日本案の再提案と議長国としてのリーダーシップを求めたい。地球と人類の未来が「京都議定書」の採択にかかっているからである。 |