五輪(夏季大会)あらかると

■ロンドン五輪ではどんなドラマが

 ロンドン五輪が2012年7月27日に開会式(競技は25日から)を行い、8月12日まで行われる。今回も、「筋書きのないドラマ」が楽しみだが、2008年の北京五輪までの日本の成績を振り返り、「五輪あらかると」を紹介する。(敬称略)

■ 日本選手団の歴代主将と旗手

主   将       旗   手

1928年 アムステルダム
高石 勝男(競泳)中沢 米太郎(陸上)
  32年 ロサンゼルス
織田 幹雄(陸上)
  36年 ベルリン
大島 鎌吉(陸上)
  48年 ロンドン
(日本は不参加)
  52年 ヘルシンキ
古橋広之進(競泳)沢田 文吉(陸上)
  56年 メルボルン
竹本 正男(体操)笹原 正三(レスリング)
  60年 ローマ
糸山 隆司(体操)小野 喬(体操)
  64年 東京
小野 喬(体操)福井 誠(競泳)
  68年 メキシコ
菅原 武男(陸上)遠藤 幸雄(体操)
  72年 ミュンヘン
中村 祐造(バレー)篠巻 政利(柔道)
  76年 モントリオール
加藤 沢男(体操)猫田 勝敏(バレー)
  80年 モスクワ
(日本は不参加)
  84年 ロサンゼルス
山下 泰裕(柔道)室伏 重信(陸上)
  88年 ソウル
斉藤 仁(柔道)小谷実可子(シンクロ)
  92年 バルセロナ
古賀 稔彦(柔道)中田 久美(バレー)
  96年 アトランタ
谷口 浩美(陸上)田村 亮子(柔道)
2000年 シドニー
杉浦 正則(野球)井上 康生(柔道)
  04年 アテネ
井上 康生(柔道)浜口 京子(レスリング)
  08年 北京
鈴木 桂治(柔道)福原 愛(卓球)

■ 日本の過去の金メダル数=( )内は女子

 日本選手の最初の金メダルは、アムステルダム五輪。陸上・三段跳びの織田幹雄と、水泳・200メートル平泳ぎの鶴田義行(記録は2分48秒8)の2人が獲得した。織田の記録は15メートル21だが、現在、国立競技場のトラック第4コーナーには、この記録を顕彰して長さ15メートル21の「織田ポール」が設置されている。

 アテネ五輪の陸上・ハンマー投げの室伏広治は、競技終了時点で2位だったが、1位の選手がドーピング違反で失格、「金」に繰り上げられた。

1928年 アムステルダム
  32年 ロサンゼルス
  36年 ベルリン
6  (1)
  48年 ロンドン
(日本は不参加)
  52年 ヘルシンキ
  56年 メルボルン
  60年 ローマ
  64年 東京
16 (1)
  68年 メキシコ
11
  72年 ミュンヘン
13 (1)
  76年 モントリオール
9  (1)
  80年 モスクワ
(日本は不参加)
  84年 ロサンゼルス
10
  88年 ソウル
  92年 バルセロナ
3  (1)
  96年 アトランタ
3  (1)
2000年 シドニー
5  (2)
  04年 アテネ
16 (9)
  08年 北京
9  (5)

■ マラソンの日本勢の全成績=女子はロサンゼルス大会から採用
(数字は順位、棄は途中棄権)

 女子マラソンは、1984年のロサンゼルス五輪から採用された。その前年の1月に、京都で全国都道府県対抗女子駅伝が始まった。女子の中長距離種目の強化を目指した女子駅伝の第1回優勝アンカーは増田明美(千葉チーム)。2000年シドニー五輪の金メダリスト・高橋尚子、04年アテネ五輪の金メダリスト・野口みずきも、全国女子駅伝でおなじみの顔だ。

<男  子>      <女  子>

1912年 ストックホルム
棄  金栗 四三
  20年 アントワープ
16 金栗 四三
20 茂木 善作
21 八島 健三
  24年 パリ
棄  金栗 四三
棄  田代菊之助
棄  三浦 弥平
  28年 アムステルダム
4  山田 兼松
6  津田晴一郎
48 永谷 寿一
  32年 ロサンゼルス
5  津田晴一郎
6  金 恩培
7  権 泰夏
  36年 ベルリン
棄  塩飽 玉男
1(金) 孫 基禎
3(銅) 南 昇竜
(鈴木房重は出走せず)
  48年 ロンドン
(日本は不参加)
  52年 ヘルシンキ
棄  内川 義高
25 西田 勝男
26 山田 敬蔵
  56年 メルボルン
5  川島 義明
16 浜村 秀雄
33 広島 庫夫
  60年 ローマ
31 広島 庫夫
32 渡辺 和己
46 貞永 信義
  64年 東京
3(銅) 円谷幸吉
8  君原 健二
15 寺沢 徹
  68年 メキシコ
棄  佐々木精一郎
2(銀) 君原健二
9  宇佐見彰郎
  72年 ミュンヘン
5  君原 健二
12 宇佐見彰郎
36 采谷 義秋
  76年 モントリオール
20 宗  茂
21 水上 則安
32 宇佐見彰郎
  80年 モスクワ
(日本は不参加)
  84年 ロサンゼルス
4  宗  猛棄  増田 明美
14 瀬古 利彦19 佐々木七恵
17 宗  茂
  88年 ソウル
4  中山 竹通25 浅井 えり子
9  瀬古 利彦28 荒木 久美
17 小坂 忠広29 宮原美佐子
  92年 バルセロナ
2(銀) 森下広一2(銀) 有森裕子
4  中山 竹通4  山下佐知子
8  谷口 浩美29 小鴨 由水
  96年 アトランタ
19 谷口 浩美3(銅) 有森裕子
54 大家 正喜12 真木 和
93 実井謙二郎17 浅利 純子
2000年 シドニー
棄  犬伏 孝行1(金) 高橋尚子
21 川嶋 伸次7  山口 衛里
41 佐藤 信之15 市橋 有里
  04年 アテネ
5  油谷 繁1(金) 野口みずき
6  諏訪 利成5  土佐 礼子
42 国近 友昭7  坂本 直子
  08年 北京
13 尾方 剛棄  土佐 礼子
76 佐藤 敦之13 中村友梨香
(大崎悟史は出走せず)(野口みずきは出走せず)

(ベルリンの孫基禎、南昇竜は当時、朝鮮。日本代表として出場)


■ 野球の日本の戦績=( )内は優勝国

 日本がプロ、アマ合同で出場した野球。正式競技としては金メダルに届かなかった。野球は2012年ロンドン五輪では実施されない。

1984年 ロサンゼルス(公開競技)
金メダル
  88年 ソウル(公開競技)
銀メダル (米国)
  92年 バルセロナ
銅メダル (キューバ)
  96年 アトランタ
銀メダル (キューバ)
2000年 シドニー
4位   (米国)
  04年 アテネ
銅メダル (キューバ)
  08年 北京
4位   (韓国)

■ 競泳の日本の金メダル

 女子の金メダル第1号は、ベルリン五輪の前畑秀子。ラジオの実況放送で繰り返された「まえはた ガンバレ!」のアナウンスも有名。ミュンヘン五輪では田口信教が16年ぶりで、ソウル五輪では鈴木大地が16年ぶりで金メダルを獲得し、「水泳ニッポン」を復活させた。北島康介は2大会連続2冠の偉業を達成。(▽=男子、▼=女子)

1928年 アムステルダム
▽200メートル平泳ぎ鶴田 義行
  32年 ロサンゼルス
▽100メートル自由形宮崎 康二
▽1500メートル自由形北村久寿雄
▽200メートル平泳ぎ鶴田 義行
▽100メートル背泳ぎ清川 正二
▽800メートルリレー宮崎、遊佐、横山、豊田
  36年 ベルリン
▽1500メートル自由形寺田 登
▽200メートル平泳ぎ葉室 鉄夫
▼女子200平泳ぎ前畑 秀子
▽800メートルリレー遊佐、杉浦、田口、新井
  56年 メルボルン
▽200メートル平泳ぎ古川 勝
  72年 ミュンヘン
▽100メートル平泳ぎ田口 信教
▼女子100バタフライ青木 まゆみ
  88年 ソウル
▽100メートル背泳ぎ鈴木 大地
  92年 バルセロナ
▼女子200平泳ぎ岩崎 恭子
  04年 アテネ
▼女子800自由形柴田 亜衣
▽100メートル平泳ぎ北島 康介
▽200メートル平泳ぎ北島 康介
  08年 北京
▽100メートル平泳ぎ北島 康介
▽200メートル平泳ぎ北島 康介

■ シンクロナイズドスイミングの日本の成績

 ロサンゼルス五輪から始まった競技。当初、3大会連続でソロ種目があったが、アトランタ五輪からは実施されていない。北京五輪まで、ソロ、デュエット、チーム各種目を通して日本の金メダルはない。

      <ソ ロ>     <デュエット>    <チーム>

1984年 ロサンゼルス  銅 元好三和子  銅 元好・木村さえ子   ―
  88年 ソウル  銅 小谷実可子  銅 小谷・田中京   ―
  92年 バルセロナ  銅 奥野史子  銅 奥野・高山亜樹   ―
  96年 アトランタ   ―   ―   銅
2000年 シドニー   ―  銀 立花美哉
    武田美保
  銀
  04年 アテネ   ―  銀 立花美哉
    武田美保
  銀
  08年 北京   ―  銅 鈴木絵美子
    原田 早穂
  5位

■ サッカーの日本の全成績

 男子のメダルは、メキシコ五輪の「銅」のみ。以後、五輪予選での敗退が続いた。1993年にJリーグが誕生してプロ化を果たすと、96年のアトランタ五輪で、実に28年ぶりの五輪出場を果たした。以後は、毎大会出場している。サッカーは92年バルセロナ五輪から基本的に23歳以下の代表チームによる大会になっており、年齢制限のないW杯と区別されている。

 女子はアトランタ五輪から採用された。日本は2011年のW杯で優勝したものの、五輪でのメダルはない。北京五輪では、3位決定戦で惜しくも敗れてメダルに届かなかった。

 (○=日本の勝ち、▽=同引き分け、●=同負け)

【男子】

1936年 ベルリン 8強
▽1 回 戦 ○ 3―2 スウェーデン
▽2 回 戦 ● 0―8 イタリア
  56年 メルボルン
▽1 回 戦 ● 0―2 オーストラリア
  64年 東  京 8強
▽1次リーグ ○ 3―2 アルゼンチン
          ● 2―3 ガーナ
▽準々決勝  ● 0―4 チェコスロバキア
▽順位決定戦 ● 1―6 ユーゴスラビア
  68年 メキシコ 銅メダル
▽1次リーグ ○ 3―1 ナイジェリア
          △ 1―1 ブラジル
          △ 0―0 スペイン
▽準々決勝  ○ 3―1 フランス
▽準決勝   ● 0―5 ハンガリー
▽3位決定戦 ○ 2―0 メキシコ
  96年 アトランタ
▽1次リーグ ○ 1―0 ブラジル
          ● 0―2 ナイジェリア
          ○ 3―2 ハンガリー
         (日本はグループ3位で敗退)
2000年 シドニー 8強
▽1次リーグ ○ 2―1 南アフリカ
          ○ 2―1 スロバキア
          ● 0―1 ブラジル
▽準々決勝  ● 2―2 米国
          (PK4―5)
  04年 アテネ
▽1次リーグ ● 3―4 パラグアイ
          ● 2―3 イタリア
          ○ 1―0 ガーナ
          (日本は1次リーグ敗退)
  08年 北  京
▽1次リーグ ● 0―1 米国
          ● 1―2 ナイジェリア
          ● 0―1 オランダ
          (日本は1次リーグ敗退)

【女子】

1996年 アトランタ
▽グループリーグ ●2―3 ドイツ
             ●0―2 ブラジル
             ●0―4 ノルウェー
2000年 シドニー
(出場できず)
  04年 アテネ
▽グループリーグ ○1―0 スウェーデン
             ●0―1 ナイジェリア
▽準々決勝     ●1―2 米国
  08年 北 京
▽グループリーグ ▽2―2 ニュージーランド
             ●0―1 米国
             ○5―1 ノルウェー
▽準々決勝    ○2―0 中国
▽準決勝      ●2―4 米国
▽3位決定戦   ●0―2 ドイツ

■ 団体球技のホッケー、水球、バスケットボール、バレーボール、ハンドボールの日本の出場歴

 女子のホッケーは、5大会連続で出場できなかったが、アテネ、北京の両五輪に出場し注目を集めた。ハンドボールは男女とも、ロンドン五輪で久しぶりの出場を目指している。

 (金、銀、銅はメダル。○は出場、×は不出場、―は競技を実施せず)

ホッケー
男 女
 水 球
 男 女 
バスケ
男 女
バレー
男 女
ハンド
男 女
1932年 ロサンゼルス  銀 ―   ○ ―   ― ―   ― ―   ― ― 
  36年 ベルリン  ○ ―   ○ ―   ○ ―   ― ―   × ― 
  52年 ヘルシンキ  × ―   × ―   × ―   ― ―   ― ― 
  56年 メルボルン  × ―   × ―   ○ ―   ― ―   ― ― 
  60年 ローマ  ○ ―   ○ ―   ○ ―   ― ―   ― ― 
  64年 東京  ○ ―   ○ ―   ○ ―   銅 金   ― ― 
  68年 メキシコ  ○ ―   ○ ―   × ―   銀 銀   ― ― 
  72年 ミュンヘン  × ―   ○ ―   ○ ―   金 銀   ○ ― 
  76年 モントリオール  × ―   × ―   ○ ○   ○ 金   ○ ○ 
  84年 ロサンゼルス  × ×   ○ ―   × ×   ○ 銅   ○ × 
  88年 ソウル  × ×   × ―   × ×   ○ ○   ○ × 
  92年 バルセロナ  × ×   × ―   × ×   ○ ○   × × 
  96年 アトランタ  × ×   × ―   × ○   × ○   × × 
2000年 シドニー  × ×   × ×   × ×   × ×   × × 
  04年 アテネ  × ○   × ×   × ○   × ○   × × 
  08年 北京  × ○   × ×   × ×   ○ ○   × × 

■ 体操・男子団体総合の日本の成績   ■ 女子バレーボールの日本の成績

 五輪では、日本のお家芸とされる競技がある。男子体操は、ローマ五輪から団体総合で5大会連続の金メダル。その後、「金」から遠ざかったが、アテネ五輪で再び王座についた。

 女子バレーボールは、東京五輪で柔道(当時は男子のみ)とともに採用された。女子の日本代表は「東洋の魔女」といわれ、金メダルに輝いた。モントリオール五輪でも優勝したが、それ以後は金メダルがない。

  【体操の男子団体総合・日本の成績】  【女子バレーボールの日本の成績】

1932年 ロサンゼルス
5位
  36年 ベルリン
9位
  48年 ロンドン
(日本は不参加)
  52年 ヘルシンキ
5位
  56年 メルボルン
  60年 ローマ
  64年 東京
  68年 メキシコ
  72年 ミュンヘン
  76年 モントリオール
  80年 モスクワ
(日本は不参加)
  84年 ロサンゼルス
  88年 ソウル
4位
  92年 バルセロナ
5位
  96年 アトランタ
10位1次リーグ敗退
2000年 シドニー
4位(予選敗退、五輪不出場)
  04年 アテネ
5位(準々決勝 0―3中国)
  08年 北京
5位(準々決勝 0―3ブラジル)

■ レスリング・日本の大会別メダル数

 レスリングもお家芸の一つ。ヘルシンキ五輪以降、出場した五輪では途切れることなく、金、銀、銅いずれかのメダルをとっている。女子はアテネ五輪から採用され、アテネ、北京両五輪では、男子より多くのメダルを獲得した。

                     <男子>    <女子>(アテネ五輪から実施)
                     金 銀 銅    金 銀 銅

1924年 パリ
  48年 ロンドン
(日本は不参加)
  52年 ヘルシンキ
1 1
  56年 メルボルン
2 1
  60年 ローマ
  64年 東京
5    1
  68年 メキシコ
4 1
  72年 ミュンヘン
2 2
  76年 モントリオール
2    4
  80年 モスクワ
(日本は不参加)
  84年 ロサンゼルス
2  5  2
  88年 ソウル
2 2
  92年 バルセロナ
  96年 アトランタ
2000年 シドニー
  04年 アテネ
2  1  1
  08年 北京
1  12  1  1

■ 女子種目の増加

 五輪の大きな変化は商業化、プロ化と、女子種目の増加といえるだろう。モントリオール五輪以降、大会毎に何らかの女子競技・種目が新採用されている。

 ソフトボールでは日本が活躍し、初採用のアトランタは4位、シドニーで銀メダル、アテネは銅メダル、北京五輪で悲願の金メダルを獲得したが、2012年ロンドン五輪では実施されない。

 逆に、ロンドン五輪では、女子ボクシングが新採用される。

 ちなみに、冬季五輪では、1998年の長野五輪で女子アイスホッケーが採用された。2014年のソチ五輪では、女子ジャンプが新たに実施される。


【各五輪で新たに採用された女子の競技・種目】

1964年 東   京
○バレーボール
  76年 モントリオール
○バスケットボール
○ハンドボール
  80年 モスクワ(日本は不参加)
○ホッケー
  84年 ロサンゼルス
○自転車
□陸上  マラソン、400メートル障害、七種競技
  88年 ソウル
(公開競技として柔道)
□陸上  1万メートル
  92年 バルセロナ
○柔道
  96年 アトランタ
□陸上  三段跳び、5000メートル
○ソフトボール
2000年 シドニー
○ウエイトリフティング
○水球
□陸上  棒高跳び、ハンマー投げ
       20キロ競歩
  04年 アテネ
○レスリング
  08年  北京
□陸上  3000メートル障害

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