筆者は、平成18年2月から、京都府の山間地で田舎記者をしている。その傍ら、「京都スポーツあらかると」を運営している。これから、思いつくままにスポーツコラムをお届けしたい。
<プロフィール>
井上年央(としお)
1947年、大阪生まれの団塊世代です。1970年、京都新聞社に入社。79年に運動部に配属され、スポーツ記者になりました。...
■700人が集まり盛り上がる
京都・サッカースタジアムを推進する会と、京都商工会議所京都スポーツ振興特別委員会が2011年11月29日、京都市内の京都産業会館シルクホールで「地域に根ざしたスポーツ文化の創造」をテーマに講演会とシンポジウムを開いた。会場は定員700人ぎっしりの盛況で、これまでにない新スタジアム建設の熱気が感じられた。
Jリーグの京都サンガは、京都市の西京極陸上競技場(約2万人収容)をホームスタジアムにしているが、陸上競技のトラックをはさんで「遠目」の観戦となり、プレーを再現して見せる大型スクリーンはなく、観客席の屋根も一部にしかない状態で、新しいスタジアム建設の機運が生まれている。「府におけるスポーツ施設のあり方懇話会」(座長・枡岡義明府体協会長)が組織され、府民の意見を聞きながらスタジアム建設の方向性を探っている。
シンポジウムのパネラーは、Jリーグの大東和美チェアマン、京都商議所の堀場厚副会頭(京都サンガ後援会長)、米国のアメリカンフットボールチームの元チアガールの小島智子さん、この日、基調講演をした女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督で、コーディネーターは関西大学の志岐幸子准教授が務めた。
発言要旨を紹介しよう。

■幸せな生活のシンボルに
■試合観戦はお祭り
■一流の試合に一流の器
また、この日は、シンポジウムに先立って、サッカースタジアム建設の署名運動で47万9601人の署名が集まったことが報告され、「なでしこジャパン」の佐々木監督が基調講演した。
講演の要旨は次の通り。
■選手主導で練習
なでしこジャパンは、北京五輪で(3位決定戦でドイツに0─2で敗れて)ベスト4だった。目標もベスト4だったが、大会後、選手たちは(世界の)優勝を目指そうと目標を変えた。チーム自体、北京五輪まではコーチ主導で練習、チームづくりを行ってきた。それを、選手主導に変えて、ミーティングの「会話の質」を上げるようにした。
優勝できたワールドカップでは、3・11の東日本大震災を目の当たりにして、選手たちは「大好きなサッカーができる」という気持ちを高めて、それがパワーアップにつながったといえる。それと、NHKが全試合をテレビ中継してくれて、大きな励みになった。
勝因はいろいろと考えられるが、▽震災に対する行動から、日本の誇りと絆を感じた▽目標を設定した▽戦略、戦術が定着した▽攻守にアクションした▽スタッフが充実した、などがあげられるだろう。ピッチ内の男性スタッフと、ピッチ外の女子スタッフのコミュニケーションを図り、そのことで選手の安心感につながったと思う。
■女子サッカーをメジャーに
今後の目標は、▽サッカーを日本の女性スポーツのメジャーにする▽なでしこジャパンを世界のトップクラスにする▽世界基準の「個」を育成する。特に、国内では中学生の女子サッカー普及が課題だ。アメリカの女子サッカー人口は140万人いるが、日本は2万6000人ぐらいだろう。普及するにしても、日本は「ハード」(練習場)が少ない。しかし、ここは、日本人の持つ「知恵」をだして、工夫をしていかないといけない。
「なでしこらしさ」を振り返ると、ひたむき、芯が強い、明るい、礼儀正しい、といったことが考えられる。W杯で、優勝と同時に「フェアプレー賞」をもらったことは特筆できる。人間の脳神経細胞には、元来「生きる」「知る」「仲間になる」という働きがあるという。ロンドン五輪では、120%の力を出さないと勝てないと思うので、頑張る。
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