Kyoto Shimbun 1998.8.23
横浜 春夏連覇 史上5度目 京都成章、一歩及ばず準優勝
京都成章は横浜(東神奈川)に0―3で敗れ、昨年の平安に続いて準優勝に終わった。 横浜は18年ぶり2度目の優勝で、69回大会のPL学園(大阪)以来、史上5度目の甲子園春夏連覇を達成した。
横浜の松坂大輔投手は今大会2度目、通算22人目(23度目)の無安打無得点試合を記録した。決勝でのノーヒットノーランは1939年の第25回大会で海草中(和歌山)の嶋清一投手が下関商戦で達成して以来、戦後初めて。
京都成章は左腕古岡を中心に守り抜いたが力及ばなかった。4回一死から松本の左越え本塁打で失点し主導権を奪われた。5回には一死二塁から佐藤にしぶとく右前に落とされて2点目を失い、8回にも二死二塁から斉藤清の中前打で追加された。 エースの古岡は立ち上がり、強打の横浜打線におくすることなく、落ちついたマウンドさばき。遊ゴロ、中飛、三振と三者凡退に切ってとった。上々の滑り出しで、序盤は落差のあるカーブと速球を巧みに配球、打者9人に仕留めて見せた。破壊力抜群の打線から連打を許さず、失点を3にとどめた気迫の投球をたたえたい。 バックも澤井遊撃手をはじめ、無失策の堅い守りだった。打線は緩急をつけながら直球と変化球をコーナーへ投げ分ける松坂投手に苦戦。初回と終盤に四球や振り逃げで走者を出したが、無安打に終わり、11三振を喫した。 横浜は初回に見事な併殺プレーを見せるなど内野陣の動きが軽快だった。フットワーク良く難しいバウンドも巧みに処理し、送球も確実だった。打線は9安打でバントも正確。投打にスキがなかった。
最後まで強気の投球 古岡 走者を背負い打たせて取る
バッテリーは「ストレートで」と勝負球を確認していた。捕手吉見は「内のストレートを見せておきたかった」。だが、強力打線はその直球を容赦なく狙ってきた。エースは5回にも1点を失ってしまう。 好投手松坂の前に味方打線は反撃できず、逆にじわりじわりと攻め立てられる。苦しい投球は続き、6、7回にも得点圏に走者を背負った。それでも「松坂に負けていなかった」(吉見)と低め低めに球を集め、打たせて取って何とかしのいだ。 「疲れは関係なかった」とエースは最後まで強気の投球を心掛けた。その意識を強めたのは8回二死二塁から。斉藤清を2―1と追い込んだ4球目。「負けない気持ちを見せたかった」直球は差し出したグラブをかすめるようにはじき返された。重すぎる3点目。だが「最後の気迫で」(吉見)勝負にこだわった結果の失点だった。 選抜での大敗を晴らそうと苦しい練習を耐え抜いた。悔しさからだった。京都を制し、大舞台では最後まで勝ち上がった。毎回奪三振を二度もやってのけた。奥本監督は「古岡をほめてやりたい」とただねぎらう。エースは「これが精いっぱい」とさばさばした表情を見せた。吉見は「最高の仲間とともに野球ができて良かった」と涙が乾いた目を向けた。最後に残した悔いを、再びどこかで糧にしてもらいたい。 (山合了輔)
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