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同志社大学ヨット部OBのナローボート旅行

(1)2週間借りた全長約17メートルのナローボート。船内にベッドは4つ(2)運河の途中で上陸、パブを訪れたり、観光したり、楽しみはつきない
(1)2週間借りた全長約17メートルのナローボート。船内にベッドは4つ
(2)運河の途中で上陸、パブを訪れたり、観光したり、楽しみはつきない

 イギリスには、18世紀の産業革命で建設された運河が多くある。その水路をゆっくり航行して、「旅の足」としているのが細長いナローボート。同志社大学ヨット部OB、OG組織である「鯨会」の西村知明会長(64歳)が2003年7月に、クラブの先輩2人、同期生1人と計4人で約2週間の「ナローボート漫遊」を楽しんだ。

 ヨットマンたちのロマンをかきたてた場所は、イギリス北部ウェールズの近くのスランゴスレン運河。18世紀後半の土木技術者、テルフォードの傑作といわれるアクアダクト(水道橋)の「ポントカサステ(高さ36メートル、長さ70メートル)」と「チャーク(高さ21メートル、長さ200メートル)」があり、最も有名な運河。トレバからニューミルズまでの200キロの旅だった。

(3)船内のリビングでくつろぐ。左が鯨会の西村会長(4)舵をとる西村会長。エンジン付きの船だが、操船には結構コツがいるそうだ
(3)船内のリビングでくつろぐ。左が鯨会の西村会長
(4)舵をとる西村会長。エンジン付きの船だが、操船には結構コツがいるそうだ

 産業革命で建設された運河は、総延長6000キロにも及んだが、現在、約3200キロが航行可能で、まさに"水の街道"になっている。

 ナローボートは、幅の狭い運河を航行できるように設計された細長い船で、石炭を運んでいた。やがて、蒸気機関車が発明され、その役割を終えた。いまは、船内に居間、寝室、台所、トイレ、シャワールールをつくり、別荘代わりやレジャー用のボートに生まれ変わった。

(7)有名なポイントカサステ水道橋を進むナローボート(8)丘を下り、水門を出てきたナローボート
(7)有名なポイントカサステ水道橋を進むナローボート
(8)丘を下り、水門を出てきたナローボート

 日本でのレンタカーのように、一定期間借りられる大小さまざまなナローボートがある。西村さんたちは、長さ約17メートル、幅約1・8メートルのナローボートを約40万円で借りた。

 人が歩くほどのゆっくりしたスピードで運河を進むナローボートは、時間さえスローにしてくれる、という。途中、上陸してパブでビールやワインを楽しんだり、旧友と再会したり。ヨットとはまた違う旅だった。

一緒にナローボートの旅を楽しんだ同志社大学ヨット部OB(右の3人)
一緒にナローボートの旅を楽しんだ同志社大学ヨット部OB(右の3人)

 運河の旅は、丘を越えるときに階段のような水門(ロック)を通らないといけない。今回も81ロックを使った。ナローボートが、低い水門から一段高い水門に進みながら、丘を登っていく場合の操作を説明しよう。(1)まず水門に入って、後ろの扉を締める(2)次に、前の扉を開ける。すると、一段高い水位の水が流れ込んできて、ナローボートが高い位置に浮上する(3)さらに前進し、さっき開けた前の扉が後方にくると、その扉を今度は締める(4)そして、また前の扉を開けて、水位を上げ、ナローボートを浮上させる。この繰り返しで、丘を登っていく。

 丘を下るとこは、この逆の操作と思えばいい。

 また、運河が谷を越えるときは、橋をつくり、その橋の上が水路となる。橋は川をまたぐものだが、橋の上を水が流れているのも楽しい景色だ。

 西村さんは、「水門の扉の開閉は手動で、結構大変は作業になる。みんなで助け合ったりして、そこにまた会話が生まれたりと、のんびり、いい旅でした」と、振り返っている。

この地図の、○の地域を、西村さんたちがナローボートで旅した
この地図の、○の地域を、西村さんたちがナローボートで旅した