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レーサー北川晃が語る「ヴィッツレースの実は。。。」

 アーティスト的なレーシングドバイバー 北川晃選手の2010年シーズンも終盤です。そこで、ヴィッツレースの「裏話」、「本当のところ」を語ってもらいました。レースへの興味がふくらむエピソードをお届けします。(10月3日作成)


■公道走りレーシング場へ

 ヴィッツレースの特徴は、ナンバー付きレーシングカーを使うということです。ですから、もちろん公道も走行可能です。私は、レース会場のサーキットに行くときに、愛車のヴィッツをトラックに積んだりせず、大抵は自走しています。もちろん、車体はサーキットで走る格好いいカラーリングのままで、国道や高速道路を制限速度を守って走っています。遠い場所になると、京都から栃木県まで走ることも。ぜひとも、車体のゼッケン「16」を見たら手を振って下さいね。

ヴィッツレースの実は。。。

■マシンは全車同じ条件

 ヴィッツの車は、サーキットを安全に走行出来るように改造をされており、市販車よりも頑丈に作られております。「ヴィッツレース」は多い時には、一度に80台が集まるほどの人気レース。しかしながら、頑丈にはしていても、マシンそのものの変更(改造)箇所はほとんどありません。タイヤのメーカー、空気圧、ダンパーの調整以外は、全車同じコンディションで競います。ですから、つきつめるとドライバーの技量で勝負するしかないのです。資金にものをいわせて、モンスターマシンを作るようなことはなく、これが、ヴィッツレースの人気を支えている一つの理由かもしれませんね。

ヴィッツレースの実は。。。

■脱水症状に気をつけて

 車のレースは、他のスポーツに比べると、楽に見えるかもしれません。自分自身が走るのではなく、シートに座っているわけですし、ハンドルを切って、窓らから風を浴びて…。いえいえ、実はそんなことはございません。サーキットでの走行中、窓はほぼ閉めたまま。真夏ともなれば、マシンをいたわるために余分な熱をできるだけ逃がしてやらないといけません。どこへ逃がすかが問題で、車内の暖房を最大風力にして走ることもあるのです。赤道に近いマレーシアでのレースなどであれば、余りの暑さに脱水症状を起こすドライバーも多くでてきます。また、マフラーの熱で足の裏をやけどする人も。これが本当の「熱い戦い」でしょうか。

■「G」を感じて速く!速く!

 モータースポーツの特徴、魅力と言えば、やはり体中に感じる「G」(重力加速度)でしょう。飛行機が離陸するとき滑走路を急加速していくと体がシートにグッグーと押しつけられるでしょう。あれが「G」を感じている状態です。ジェットコースターでも味わえますが、サッカーや野球にはない体感でしょう。街中で体験することはほとんどない力です。普通に運転されている車で、タイヤが耐え切れなくなるほどのブレーキング、コーナーリング、アクセル全開での加速などを味わったことがある人は少ないと思います。サーキットでは、その車の能力の限界ギリギリを出してやらないと速く走れません。時には、大きなアクシデントになることも覚悟しておく必要があります。それでも、やっぱり「G大好き」なのがレーサーかもしれません。

ヴィッツレースの実は。。。

■本質はチームスポーツ

 モータースポーツは、大抵の場合ドライバーだけがクローズアップされがちです。しかしながら、1チームには何人ものメカニック、たくさんのスポンサー、応援して下さる方々がおられて、初めて「レース」に参加出来るのです。マラソンのように自分自身の体があれば、競技が出来るってことではないんですね。だからこそ、チームワークの大切さ、ありがたさを知ることが出来るのでしょう。思い通りのレースができて、勝って、チームみんなのはちきれそうな笑顔に囲まれる。これもまた、カーレースの魅力の一つです。


 スライドショーを制作して、youtubeにアップしてみました。ちょっと、おもしろおかしく作ったので、宜しければ見てください。

http://www.youtube.com/watch?v=frdi7xgI4hU