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(10)太平洋横断航海から1年

 2003年の秋、ヨットで太平洋を帆走し、大阪からサンフランシスコまで78日を経て単独・無寄港の航海を成し遂げました。航海中は、洋上生活を「セルフ・ドキュメンタリー」として写真と文章に記録。嵐との遭遇やイルカの群れを見たときなど、自然に対峙(じ)した気持ちを航海日誌につづりました。あれから1年近くの今、それらの写真と文章をまとめ「フォト・エッセー」として出版したいと考えています。

 太平洋帆走は、単にひとつの行為にすぎません。この航海からいったい何を感じ、どう今後に生かしていくか。このことこそが航海以上に重要だと感じています。

 私の夢は冒険家になることではありません。新聞記者になることです。専門学校で報道写真、同志社大学で新聞学を学びました。出航前から帰国、そして最近に至るまで、テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど、さまざまなメディアの取材を受けました。この春に卒業した大学の卒業論文では「友田享助ヨット太平洋単独航海をメディアはどう取り上げたか」と題し、取材される側から見たメディアの視点について論じました。

 今年11月から新聞社への入社(京都新聞ではありませんが…)が決まっています。この航海で多くのメディアから取材を受け、取材するときに取材相手がどう感じるのか、身をもって知ることができました。記者によっては無礼な態度で接する人もいますし、またミスをする人もいます。報道は迅速かつ正確であるべきですが、それ以前に取材相手へ不快感を与えないよう、思いやりを持つ人間であろうと心に誓っています。

 私は太平洋帆走という、少年のころからの夢を叶えることができました。夢は叶えるためにあります。「自分を信じれば、夢は叶う」。私のモットーです。

2004年9月30日京都市内の自宅にて
(04年10月6日)