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2007年インターハイ近畿予選の主な内容

▽陸上(6月14~17日・西京極競技場)

男子ハンマー 野中(園部)圧勝 インターハイ陸上近畿予選 山元(草津東)3位 女子400馬渕(西京)V

 陸上のインターハイ近畿予選が2007年6月14日、西京極陸上競技場で4日間の日程で開幕した。初日は男女5種目の決勝などを行い、女子四百メートルで馬渕奏(西京)が55秒21で優勝した。同種目の京都勢の優勝は9年ぶり。

 男子ハンマー投げは、野中直道(園部)が60メートル70で圧勝、山元優史(草津東)が3位に入った。同種目では京滋勢計4人が全国大会に進める上位6位以内を占めた。このほか、京都勢では男子四百メートル2位に後藤慶行(山城)、走り幅跳び3位に長尾慎祐(東舞鶴)が上位入賞を果たした。

■雨でも抜群の安定感

男子ハンマー投げで優勝した園部の野中
男子ハンマー投げで優勝した
園部の野中

 ○…男子ハンマー投げの野中がただ一人60メートル台をマークし、2位に約4メートルの大差で圧勝した。京都府予選で昨季の日本高校ランク4位に相当する62メートル26の京都高校新を投げた実力を見せつけた。

 朝から降り続いた雨でサークル内に水がたまりバランスを崩す選手が続出する中で、2位の56メートル87を上回る投てきを何度も繰り出す抜群の安定感を誇った。「雨でも普段から練習しているので関係なかった」と冷静に振り返った。

 円盤投げが専門でともに全国を目指す同級生の宮木も6位に入賞。野中は「陸上は個人競技だけどチームみんなで一緒に戦っている感じが好き」と喜んだ。

■走り豪快 後半伸び 馬渕

女子四百メートル決勝で優勝した西京の馬渕(西京極)
女子四百メートル決勝で優勝した
西京の馬渕(西京極)

 女子四百メートルを制した西京・馬渕の走りは159センチの小柄な体からは想像できない豪快さだった。百、二百メートルから距離を伸ばしてまだ1年足らず。昨年のインターハイは京都府予選準決勝が最高だった馬渕は「課題の後半が予想以上に伸びた。仲間の応援の力」とはにかんだ。

 レースは、2年で昨年のインターハイ二百メートルに出場した崎山(東大阪大敬愛)、同四百メートル出場の中村(西城陽)ら実力者がそろった。だが「他の人は意識しなかった」と馬渕。強い雨や周囲の雰囲気に気後れする様子はなかった。

 スタートから大きなストライドでぐんぐん飛ばす。筋肉疲労で体が硬直し始めるラスト150メートルも歯を食いしばり、追い上げた崎山を0・38差で振り切った。大会新で制した府予選での自己ベストを0・20縮め、昨年の本大会の4位に相当する好タイム。「ラストも苦しくはなかった。今は四百メートルが一番楽しい」と笑顔がはじけた。

 昨秋、渡辺為彦顧問の助言で四百メートルへの挑戦を決意。高校駅伝の長距離練習で持久力を身につけた。さらに今春、東大阪大敬愛、添上など強豪校と合同合宿を重ね、渡辺顧問は「高いレベルでも動じない精神力を身につけつつある」とみる。馬渕は「足が流れがちで腕の振りが大きすぎ。まだ課題ばかり。課題を直して全国優勝を狙う」と新たな決意を語った。

■京都勢3人が活躍

 ○…男子走り幅跳びで全国出場6人のうち3人を京都勢が占めた。

 府予選優勝の長尾が2度ファウルで追い込まれたが、3度目で「京都で優勝したプライドがあった」と6メートル99を跳び3位。府5位の原山はベストを13センチ更新し6メートル92で5位、洛北で原山の同級生の庄が6メートル90で6位に食い込んだ。府予選の2位から順位を落とした庄は「この3人は中学時代から近畿で競い合ってきた。今年の京都のレベルの高さが示せた。全国では2人に負けない」と雪辱を誓った。

 男子四百メートル2位の山城・後藤慶行 「1、2年と腰のヘルニアで思うように練習できずつらかったけど、去年11月の手術から何とか走れるようになった。マッサージや治療で助けてくれた先生方に感謝したい」

 男子ハンマー投げ3位の草津東・山元優史 「滋賀県予選優勝の記録(50メートル66)を超えてうれしい。雨でサークルがぬれていた分、全国ではもう少し記録を伸ばせると思う」

 女子やり投げ4位の加悦谷・本田茉衣 「加悦谷から近畿に出場している3人の中で1人目なので、絶対結果を残したかった。みんなの応援のおかげ」

 男子四百メートル5位の亀岡・金子暁(亀岡勢の男子トラック種目で初の全国出場) 「前日まで練習の疲労が抜けず調子は最悪だった。決勝も後半はフォームがばらばら。でも全力で6位以内を目指した」


今崎 男子1500制す 洛南勢2冠 八種競技 広野圧勝 インターハイ 陸上近畿予選

 陸上のインターハイ近畿予選第2日は15日、西京極陸上競技場で男女10種目の決勝などを行い、京都勢は2種目で洛南勢が優勝した。千五百メートルの今崎俊樹が3分52秒17で競り勝ち、八種競技の広野雄大は5499点で圧勝だった。

 男子百メートルの小谷優介(滋賀・八日市)が10秒59で2位と健闘。女子円盤投げは2位小島萌実(滋賀・安曇川)ら京滋勢3人が本大会に進める6位以内に入った。また女子千五百メートルは2-5位を京都勢が占め、四百メートルリレーは女子の西城陽が2位、男子の花園が3位と上位入賞を果たした。

■闘争心 鋭いスパート 一気の逆転 今崎

男子1500メートル決勝 終始先頭を走り残り約200メートルから鋭いスパートを決めて優勝した洛南の今崎(先頭右)=西京極
男子1500メートル決勝
終始先頭を走り残り約200メートルから
鋭いスパートを決めて優勝した洛南の今崎
(先頭右)=西京極

 男子千五百メートル残り約200メートル。それまで一度も先頭を譲らなかった今崎が5、6番手に落ちた。

 京都府予選優勝のモロッコ人留学生エドリフ(京外大西)や強豪の兵庫勢が仕掛けたラストスパートの前に、今崎は一時、6位以内すら危うい位置まで下がった。だが「気付いたらあの位置にいた。このままじゃまずいと思った」。闘争心に火がつくと、昨年の国体少年B三千メートルを制した鋭いスパートで前を行く全員を抜き去った。

 エドリフとのマッチレースだった府予選と異なり、ラスト一周まで8人が先頭集団を形成。予想通り勝負は最後のスプリント力だった。「近畿の強い選手の中でも一応スパートが通用すると分かったことは収穫。近畿でエドリフ選手や他の有力選手に勝つことが最終目標じゃないけど、中途半端なレースは嫌だった」と手応えを語る。

 昨年、一年生ですでに駅伝の主力として活躍し、冬場に高めた持久力が府予選に続く自己ベスト更新につながった。初の本大会出場へ「仙台育英高のクイラ(1年で昨年のインターハイ優勝)のタイムには遠い。まだ正しいフォームでラストのスピードを出せていないので課題ばかり」と強い向上心を示した。

■全国では高校新を

 ○…男子八種競技の広野は、2位に289点差の快勝だったが、府予選でマークした京都高校記録には届かず「走り高跳びの失敗(1メートル72)が響いた」と落ち着いて振り返った。

 得意の百十メートル障害、百メートルなど順調に得点を重ねた後、あと2種目の走り高跳びで本来の1メートル80台の跳躍ができなかった。前日には四百メートルリレーも走り疲れがあったのかもしれないが「体力的にはきついけど全国までに立て直し6000点台の日本高校記録を狙う」と高い目標を示した。

 男子百メートル2位の八日市・小谷優介(滋賀勢として12年ぶりの優勝をあと一歩で逃す)「目標の滋賀県高校記録(10秒53)にもう少し。全国で達成すれば結果もついてくるはず」

 女子四百メートルリレー2位の西城陽でアンカーを務めた佐藤幸絵「この4人でのベストを更新できた。府予選から調子が上がっている。去年は全国で予選落ち。今年はもっと上を目指す」

 女子千五百メートル2位の立命館宇治・竹中理沙(ラスト200メートルまでトップも最後に逆転を許す)「前半少し遅すぎたので前に出た。風が強かったこともあり、タイムは気にせず勝負に徹するつもりだった」

 女子走り高跳び3位の北稜・野添七瀬「自己ベストの1メートル67で体が浮いている感覚はあったので残念。全国で1メートル70を必ず達成し、3年で迎える来年の大会につなげたい」

■ハイレベルな戦い

女子円盤投げ決勝43メートル39を投げ2位に入った安曇川の小島
女子円盤投げ決勝
43メートル39を投げ2位に入った安曇川の小島

 ○…女子円盤投げは上位6人が、昨年の高校ランク10位以内に相当する42メートル12以上とハイレベルの戦い。京滋勢3人が本大会出場をつかんだ。

 43メートル39で2位の小島は3年連続の本大会出場だが「自己ベスト(43メートル86)じゃないので残念」と悔しがった。3位には府予選2位の上坂、府予選を京都高校新で制した小中が6位に入った。上位6人は全員が顔なじみで表彰式で互いの健闘をたたえ合った。上坂、小中の2人は近畿2連覇を果たした北垣(市尼崎)を前に「全国では私たちのどちらかが絶対勝つ」と力を込めた。


インターハイ近畿予選 立命館宇治勢 女子3000 2、4、5位

 第3日を迎えた陸上は男女9種目の決勝などがあり、女子三千メートルは、同千五百メートル優勝の森彩夏(兵庫・須磨学園)が9分13秒07で優勝。1秒38遅れで2位の夏原育美ら立命館宇治勢3人が5位までに入った。男子やり投げは62メートル66で辻翔太(大阪・汎愛)が制し、1年の真里谷健司(京都・花園)が2位と健闘した。女子走り幅跳びは兵庫県予選で6メートル44の日本高校新を出した中野瞳(兵庫・長田)が6メートル10(追い風参考)で2連覇を達成した。

■末っ子も本番へ

男子やり投げ決勝最終の6投目で62メートル02を投げ2位に食い込んだ花園・真里谷
男子やり投げ決勝
最終の6投目で62メートル02を投げ
2位に食い込んだ花園・真里谷

 ○…男子やり投げの真里谷が最終の6投目で渾身(こんしん)の一投。自己ベストを3メートル以上更新し、2位に食い込んだ。全員3年の入賞者の中で唯一の1年は「これでやっと僕の高校生活が始まった気がする」と喜んだ。

 最後はやり投げに有利とされる強めの向かい風での試技。「きれいに風に乗せることを意識した」と身長181センチの均整のとれた体で強く腕を振った。

 やり投げきょうだいの末っ子。8歳上の兄・慎司は花園時代にインターハイを制し、6歳上の姉もインターハイ出場。真里谷は亀岡中時代の砲丸投げからやり投げに移って2カ月の経験で近畿予選を突破した。3位田原、6位中井の洛南勢も普段花園で練習を積んでおり、互いに技を磨き合う3人が本大会に挑む。田原は「後輩に最後に逆転されるとは。全国で挽回(ばんかい)する」と意気込んだ。

■自己ベストに納得

 女子四百メートル障害2位の西城陽・中村香菜(昨年の四百メートルに続き2年連続で本大会へ)「出場者のランクではトップだったので優勝を目指した。自己ベストが出たのは納得。全国で入賞を狙う」

■全国で雪辱果たす 須磨に逆転許す

女子3000メートル決勝 優勝した須磨学園・森(右端)に必死に追いすがる2位の夏原(中央、194)ら立命館宇治勢(西京極)
女子3000メートル決勝
優勝した須磨学園・森(右端)に
必死に追いすがる2位の夏原
(中央、194)ら立命館宇治勢(西京極)

 女子三千メートルは、高校駅伝でもライバル同士の立命館宇治と須磨学園(兵庫)勢が意地をぶつけ合った。

 最初の1000メートルを3分7秒と速いペース。立命館宇治のエース格・竹中が終始レースをリードした。最後の1000メートルで竹中と後輩の夏原がペースアップ。残り200メートルまで2人がリードしたが、ここから千五百メートルでもラストの逆転で制した須磨学園のエース森が前へ出た。「最悪のレース。悔しい」と竹中。夏原も「こんなんじゃだめ」と2種目続けて逆転を許す展開を悔しがった。

 結果は、夏原が2位で2種目目の全国出場を決め、竹中も4位。昨年三千メートルで全国10位の5位沼田も2年連続の全国切符をつかんだ。一方の須磨学園勢は優勝の森と3位中道が全国へ。この上位5人とも昨年のインターハイ8位入賞に相当する9分18秒以内の好記録だった。

 夏原は「全国では須磨だけじゃなく、強いチームの人と戦うことになる」と気を引き締める。昨年の本大会を経験した沼田も「去年は入賞した人たちは一段上の感じがした。私は今年3年。私も立命館宇治のみんなも去年より強くなっている」と手応えを語った。


中村(洛南) 近畿高校新V 陸上 110障 インターハイ 近畿予選

 西京極陸上競技場での陸上では、男子百十メートル障害で中村仁(京都・洛南)が14秒07の近畿高校新で優勝するなど大会新3が生まれた。男子円盤投げは宮木淳平(京都・園部)が51メートル85で制し、女子三千メートル競歩は荻野好美(京都・立命館宇治)が優勝した。

■京都勢が1、2位

 ○…男子円盤投げで1位宮木、2位北川と、中学時代からライバルだった京都勢が上位を占めた。

 宮木は身長183センチ、体重87キロの恵まれた体で2年連続の本大会出場を決め、北川は昨年近畿予選7位で逃した全国切符を初めてつかんだ。宮木は「気持ちが先走り上体が突っ込んだ」と全国に向けた反省点をあげ、北川は「先生の指導のおかげで試合でも平常心を保てるようになった」と胸を張った。

 女子三千メートル競歩優勝の立命館宇治・荻野好美「2年で競歩を始めて去年は近畿6位。ラスト2周でスパートするつもりだった。競歩をやっていて良かった」

 女子百メートル障害3位の八幡商・中村梨穂(同種目で1年生でただ一人入賞)「高校ではハードルが高くなったので慣れるまでたいへんだった。自己ベストを0・5秒縮められうれしい」

■「悪くない」 確かな感触 中村、高校記録に意欲

 素早い足の振り上げでハードルを越え、3歩ずつの正確なつなぎ。男子百十メートル障害を14秒07の近畿高校新で制した中村は、走り終えたとき「悪くない」と確かな感触を持った。

 日本高校歴代3位のタイム。自らの走りを振り返り、「予選、準決勝と気持ちが充実し13秒台を出せる感覚があった。むしろ悔しい」と残念がった。予選を14秒53、準決勝は大会新の14秒28と好タイムを連発。「どこをどう意識すれば記録が良くなるかが分かった感じ」と話す。決勝もほぼ完ぺきなハードリングだった。「後半の何台かで甘さがあった。この流れなら全国で13秒台を出さないといけない」と、日本高校記録(13秒98)更新に強い意欲を示した。