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2008年・埼玉インターハイの京都、滋賀勢の主な成績(1)

◇陸上

▽男子400メートルリレー

(1)宇治山田商(三重)40秒89

(2)洛南(京都)   40秒91

■わずか0秒02 頂点届かず 洛南、19年ぶり決勝舞台

男子400メートルリレーで2位となり、表彰台で笑顔を見せる洛南の4選手(手前から岡本、中川、前田、福島)=熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
男子400メートルリレーで2位となり、
表彰台で笑顔を見せる洛南の4選手
(手前から岡本、中川、前田、福島)
=熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 洛南が19年ぶりにたどり着いた男子の四百メートルリレー決勝。「優勝だけを狙っていた」4人は、最高の舞台で40秒91のチームベストをたたき出した。初の頂点まで、わずか0秒02だった。

 1走の1年岡本が好スタートを切り、「3年生のためにも優勝しかない」と加速。2走の中川が「完ぺき」と振り返る練習通りのバトンワークで流れを生み出した。続く3走・前田へのバトン渡しでわずかに乱れたが、前田は「福島さんにつなげば何とかなると思った」と上位に食らいつく。複数チームが雪崩のように押し寄せた最終コーナーで、確実にアンカーの福島につないだ。

 前に2人を確認した福島は「みんながしっかりとつないでくれたバトン。絶対に抜いてやる」と優勝した宇治山田商とほぼ同時にゴールへ。全力を出し切った4人は2位と分かり、しばらくぼうぜんとうなだれた。

 4人は普段、ウオーミングアップ時でもバトンを手放さなかった。1本のバトンの重みを全員が体に刻んで19年ぶりの決勝トラックに立ち、中川は「幸せだった」と振り返る。学年の異なる4人がそれぞれの思いを胸に駆け抜け、福島は「来年は頂点を目指してほしい」。悲願の全国優勝を寸前で逃した悔しさを表現した。

■悔しさの中にも充実感 400障害2位芝田

▽女子400メートル障害

(1)三木汐莉(東大阪大敬愛)58秒79

(2)芝田陽香(京都・西京) 58秒83

女子400メートル障害決勝 惜しくも2位になった西京の芝田
女子400メートル障害決勝
惜しくも2位になった西京の芝田

 女子の四百メートル障害で高校歴代10位の好タイムを記録した芝田は「中学時代は無名の選手だった自分がここまでこれた」。2位で優勝を逃した悔しさの中にも、充実感を漂わせた。

 専門の走り幅跳びでインターハイ出場を逃し、直前の練習では「四百メートル系の練習ばかりしてきた」。その成果が後半のスタミナに表れ、最後のハードルを越えてもスピードを維持した。

 昨年は千六百メートルリレーで2位に入ったが、「先輩に頼ってばかりで悔いが残っている」という。持ち前の努力で地道に力を伸ばし、迎えた最後の夏。「千六百メートルリレーで1位になって悔しさを晴らしたい」と最大の目標を見据えた。

 女子四百メートル障害6位の西京・赤井涼香「(2位の芝田と)ワンツーフィニッシュを狙っていたので残念。ハードル間の走りが少しスムーズにいかなかった」

 男子走り幅跳び4位の京都両洋・石橋哲也「思ったよりも(全国の)レベルは高いと感じなかった。応援してくれる人の反応も良く、楽しく跳べた」

▽男子やり投げ

(1)真理谷健司(花園)68メートル02

■応援後押し 思いの一投

男子やり投げ決勝 68メートル02で優勝を飾った花園の真里谷(熊谷文化スポーツ公園陸上競技場)
男子やり投げ決勝
 68メートル02で優勝を飾った花園の真里谷
(熊谷文化スポーツ公園陸上競技場)

 男子やり投げ決勝の3投目。優勝を決めた真里谷の一投は、6月の近畿大会でマークした自己ベストを5メートル以上も更新した。「応援してくれたみんなの思いが乗った一投です」。観客席からの声援に押されるように、スピードに乗った助走から思い切り投げた。

 2位で優勝を逃した近畿大会までは「飛びそうなのに飛ばない」もどかしさが残っていたと言う。冬場は筋力アップに努めたが、結果につながらない。「短距離走のスピードは上がっているのに、助走のスピードが変わらなかった」

 インターハイまでの約1カ月間、助走にこだわり続けた。練習で一投一投を丁寧に確認。鍛え上げた筋力をスピードに生かす感覚を磨いた。決勝は3投目だけでなく5投目も2位の記録を大幅に上回り、確かなレベルアップを証明した。

 7年前にインターハイを制した兄にあこがれ、亀岡中で競技を始めた。兄の優勝記録には14センチ及ばなかったが「結果を求めるのではなく、今できるパフォーマンスをするだけ」と笑顔は変わらなかった。

 1年生で出場した昨年の大会は、背中の痛みもあって予選落ちした。雪辱を期した今年、見事に全国を制したが、来年はライバルたちから追われる立場に変わる。「来年も優勝して初めて、勝負強いと言える」。目標はまだまだ残っている。

▽男子走り高跳び

(1)小島亮(新潟・十日町)2メートル12

(2)石橋哲也(京都両洋) 2メートル09

■京都跳躍3冠 実力見せつけ

男子走り高跳び決勝 2メートル09で2位となった京都両洋の石橋
男子走り高跳び決勝
2メートル09で2位となった京都両洋の石橋

 バーの高さは2メートル12。男子走り高跳びの優勝争いは2人に絞られた。2度の試技を失敗していた京都両洋の石橋は、3度目に思わぬアクシデントに襲われた。跳躍の寸前で、左足のスパイクのピンが地面に引っかかり、跳び上がることなくマットに倒れ込んだ。

 「2メートル15ぐらいまでは跳べるイメージがあった」。決勝は2メートル03こそ2度失敗したが、続く2メートル06、2メートル09を一度でクリア。優勝を逃した最後の試技も「踏み切る直線までは完ぺきだった」だけに、涙をこらえきれなかった。

 京都府予選は走り幅跳び、走り高跳び、三段跳びの「跳躍3冠」に輝いた。前日の走り幅跳びでは4位になり、全国でも通用する実力を見せつけた。陸上部の男子跳躍部員は1人だけで、黙々と練習を積んだ3年間だった。「大学でも陸上は続ける」。頂点はあきらめていない。


◇ハンドボール

▽女子決勝

洛北(京都) 41―20 那覇西(沖縄)

■連続「3冠」へ 高み見据え

ハンドボール女子決勝・洛北-那覇西 前半18分9秒、洛北の錦織がシュートを決め、10-7とリードを広げる(三郷市総合体育館)
ハンドボール女子決勝・洛北-那覇西
前半18分9秒、洛北の錦織がシュートを決め、
10-7とリードを広げる(三郷市総合体育館)

 「決勝の舞台にこだわるな。委縮せず、やってきたことをやろう」。ハンドボール女子決勝の洛北。史上初の4連覇を意識して流れに乗りきれない選手たちを見て、前半13分にタイムアウトを要求した楠本監督はチームの意思を再確認した。

 直後に10連続得点。速攻からの爆発的な攻撃力を取り戻し、決勝では過去最多となる41得点で歓喜の時を迎えた。

 序盤は攻撃が単調で、跳ね返りのボールが相手側に転がる不運も重なった。7-7となり、楠本監督は「こんなに早い時間帯は初めて」というタイムアウトを要求。竹中は「あれでムードが変わった。守りからの速攻で点を取るということを思い出した」と話す。それがチームの原点だ。

 高山や錦織の連続得点で一気に勢いづいた。序盤はつながりを欠いた速いパス回しや速攻が次々と決まり、点差を広げた。後半もポストプレーや両サイドからの多彩な攻撃で圧倒した。

 今大会は初戦から全試合で30点以上挙げた。「試合を重ねるごとに守備が良くなった。守ったから走れた」と楠本監督。高い攻撃力を支えたのは堅守だった。ブロックや鋭い出足で相手の出はなをくじき、攻撃につなげた。

 選手たちは「先輩たちが築き上げた連覇を止めたくなかった」と口をそろえる。乾主将は「入学の時からインターハイ優勝が目標だった」。大会前、世界ユース選手権日本代表の誘いを辞退してまで今大会に懸けていた。秋には国体を控え、すぐに2年連続「3冠」への挑戦が始まる。乾は「勝ったことはうれしいけど、先生の求めるプレーができなかった。再スタートしたい」とさらなる高みを見据えた。

ここまでよくやってくれた

 洛北・楠本繁生監督「決勝はどちらも走りたいタイプのチームだった。試合中は、連覇という先を見るのではなく、今やらないといけないことをしようと言った。昨年もそうだが、まじめな選手が多い。練習もこつこつやってくれる。ここまでよくやってくれたと思う」

大会初の4連覇を達成し、抱き合って喜ぶ洛北の選手たち
大会初の4連覇を達成し、抱き合って喜ぶ洛北の選手たち

洛北のメンバー得点


◇体操

▽男子団体総合

(1)洛南(京都=川崎、垣谷、綿崎、瀬島)259・050点

■洛南 7度目V

体操男子団体 あん馬に挑む洛南のエース瀬島(熊谷スポーツ文化公園体育館)
体操男子団体 あん馬に挑む洛南のエース瀬島(熊谷スポーツ文化公園体育館)

 体操の男子団体決勝で、洛南が9年ぶり7度目の優勝を勝ち取った。規定演技を2位で通過し、自由演技で争った決勝。川崎、垣谷、綿崎、瀬島の4人全員がノーミスで演技を終え、川崎主将は「今まで支えてくれた人のことを思い出した。最高の演技ができた」と満面の笑みを浮かべた。

 2位の清風(大阪)との差はわずか0・750点。芳村監督は「神懸かり的な試合だ。こんなことは初めて」と喜ぶ。4人の高い集中力が紙一重で優勝を呼び込んだ。

 前日、ミーティングで芳村監督は「失敗してもよい。楽しんでやってこい」と話したという。個人総合2位の瀬島は「あの言葉が効いた。自分の練習通りの演技をすることだけを考えられた」。

 12日からは全日本ジュニア選手権が控える。瀬島は「日本一はうれしいが、浮かれていたら次は負ける。挑戦者の気分で臨みたい」と気を引き締めていた。


◇空手

▽男子組手個人決勝

荒賀龍太郎(京都外西) 2―1 山口(鹿児島城西)

■上段突き 終盤さく裂

空手男子組手個人決勝 果敢に攻め込み初の3連覇を飾った京都外大西の荒賀(左)=行田市総合体育館
空手男子組手個人決勝
果敢に攻め込み初の3連覇を飾った
京都外大西の荒賀(左)=行田市総合体育館

 空手の個人男子組手で、荒賀龍太郎(京都外大西)が前人未到の3連覇を成し遂げた。「実はほっとしている」。準決勝まで進んでも決して笑みを見せなかったが、最後の決勝を2-1で競り勝つと目尻を下げた。

 すきを見つけては鋭い上段げりで大量リードを奪った準決勝までと違い、決勝は慎重だった。左手を前に出す構えの荒賀に対し、相手は右手を前に出す。ぶつかり合う形で、互いに技も出しにくい。それでも先に動いたのは荒賀だった。開始すぐに上段突きでポイントを先取。「まず仕掛けたかった」。その後はポイントを稼げず、残り35秒で中段突きを浴びて1-1となった。それでも慌てず、落ち着いて相手の動きをかわし上段突きを決めた。再びリードを奪い、3年連続の夏を制した。

 両親ともトップ選手だった空手一家に育ち、中学の時から数々のタイトルを獲得してきた。高校1年からインターハイを優勝してきた荒賀へのプレッシャーは、どの大会でも厳しかった。史上初の3連覇がかかった埼玉インターハイは特に重圧は大きく、ポイントを奪われるたびに観客席から歓声がわき起こった。

 相手だけでなく、自分にのしかかる大きな重圧に打ち勝って達成した3連覇だ。「勝ち急いだら足をすくわれる。一つずつ勝って、振り返ったら3連覇していた、という心境」。落ち着いた口ぶりで、日本一をかみしめていた。

▽団体決勝

世田谷学園(東京)2―2(内容勝ち)京都外大西

■3ポイント差 連覇を逃し涙

 わずか3ポイント差の内容負けだった。男子団体組手で京都外大西が惜しくも連覇を逃した。2勝2敗で迎えた大将戦の終了間際。ポイント1-1から2年の西が放った上段突きは、相手の体をとらえることなく空を切った。時間切れとなり、逆転はできなかった。

 準々決勝、準決勝ともに大将戦までもつれ込み、西は2試合とも終盤の猛攻で逆転劇を演じてきた。「無理をしたら差が広がる。決勝でも逆転できるはず」と西。そう考えていたが、守りに入った相手に一撃を与えることはできなかった。

 選抜大会の準決勝でも世田谷学園に敗れた。尾之上監督は「西の集中力にかけたのだが。選手層の厚さも違う相手にここまで粘って負けたのは悔しい」と話す。西は「この悔しさは来年につなげる。絶対に優勝を取り返す」と涙をぬぐった。


◇サッカー

▽1回戦

正智深谷(埼玉) 2―1 久御山

■先制点後 リズム乱す

サッカー1回戦・久御山―正智深谷、前半17分、ドリブルで攻め上がる久御山のFW増元(駒場運動公園競技場)
サッカー1回戦・久御山―正智深谷、前半17分、
ドリブルで攻め上がる久御山のFW増元
(駒場運動公園競技場)

 早い時間帯に先制点を奪ったことが、逆に久御山のリズムを乱した。先制点をアシストしたMF上村は「守りに入ってしまった。逃げ切ろうとして(悪い方向に)ズルズルいった」と悔しさをにじませた。

 前半6分の左CK。上村が入れたボールに逆サイドから走り込んだDF岡元が頭で合わせてゴールを奪った。「朝練や試合前も練習して自信はあった」と上村。府予選決勝でも得点したコンビによる先制弾で、チームは勢いに乗るはずだった。

 だがそこから、優位に立つイレブンの動きが鈍った。簡単なパスミスや消極的なプレーが目立ち、カウンターからゴールを脅かされた。MF森岡は「緊張と、セットプレーからいきなりの先制だったので乗り切れない面もあった」。前半こそGK小久保の好セーブなどでしのいだが、後半11分にロングシュートで同点にされると、同26分にCKから逆転を許した。

 2年ぶりのインターハイは初戦敗退に終わった。相手の正智深谷は開催地で出場枠が増えた埼玉の3位校。松本監督は「技術的には負けていないが、同点で足が止まり自信を失ってしまった」と肩を落とす。京都では技術の高さを誇る久御山。「うまさの下に心の強さが必要です」と出直しを誓った。


◇自転車

▽三千メートル個人追い抜き

(1)佐々木龍(横浜) 3分33秒650

(2)大中巧基(北桑田)3分34秒652

■「来年は優勝を」

 自転車の三千メートル個人追い抜きで、北桑田の大中が自己最高の2位に入った。決勝はリードしながらラスト1周で逆転され「自分としてはいい走りができたけど、もうちょっと粘りたかった」と笑顔の中にも悔しさをのぞかせた。

 国体選手だった父親の影響で、小学3年から競技を始めた。兵庫県出身ながら「強豪で有名だったから」と北桑田に進学。ロードの選手として走り込んできた。2年生で臨んだ2度目のインターハイ。予選、決勝とも自己ベストを更新した。

 「持久力が大事なので、心肺機能を高めるためローラー練習などでもがいている。来年は優勝を目指したい」と力を込めた。

▽個人ロードレース(104キロメートル)

(1)黒枝士揮(大分・日出暘谷)3時間0分31秒

(3)大中巧基(北桑田)

(4)西沢倭義(北桑田)

■学校初の3位入賞

 自転車の個人ロードレース(104キロ)決勝で、北桑田の大中が3位、西沢が4位とそろって入賞を飾った。学校対抗でも前日までの8位から一気に順位が上がり、学校初の3位入賞を果たした。

 13キロを8周するレース。路面が雨でぬれ難コースとなったが、最後まで先頭集団で粘った2人が結果を出した。西沢は「起伏の多い道なので、先頭集団にいないと差し返せないと思った。ひたすら付いていく走りが入賞につながった」と声を弾ませた。

 田中監督は「前日までのトラック競技で悔しい思いをしたので、雪辱したい気持ちが強かった。選手が素晴らしい意地を見せてくれた」と喜んでいた。


◇ボクシング

▽フェザー級決勝

児玉善徳(愛知・享栄) 判定 久保隼(南京都)

■「攻め切れず」2位

ボクシング・フェザー級決勝 第1ラウンド序盤から打ち合う南京都の久保(右)=独協大35周年記念館
ボクシング・フェザー級決勝 第1ラウンド序盤から
打ち合う南京都の久保(右)=独協大35周年記念館

 フェザー級決勝に臨んだ南京都の久保隼はポイント8-13で判定負けし、優勝を逃した。クリーンヒットが決まらず、「積極的に行けなかった。攻められなかった」と涙を流して悔やんだ。

 相手の児玉(愛知・享栄)も同じサウスポー。左を封じるために、右のジャブ、ストレートでけん制し、得意の左フックを繰り出すタイミングをうかがった。しかし相手は久保の右に耐えながら、カウンターを繰り出す。リーチを生かすために距離を取ると、狙いとは逆に消極的な攻めになってしまった。

 昨年はライト級でベスト16。本来のフェザー級に戻して挑んだ本大会は「優勝以外はいらない」と、自分を追い込んで気持ちを高めてきた。チームの主将も務め、西井部長も「精神的に強くなった。疲れもあったが、最後まで打ち切れなかったのが敗因か」と肩を落とした。

 自身もボクシングでインターハイ出場経験がある父・憲次郎さん(43)は客席から見守った。「最初はボクシングをやることを反対していたが、ここまでやるとは。悔しさをバネに国体でも頑張ってほしい」と話していた。