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2008年・埼玉インターハイの京都、滋賀勢の主な成績(2)

◇レスリング

▽74キロ級決勝

北村公平(京都八幡)2―0 長谷川公俊(茨城・鹿島学園)

■目標の3冠へ 飽くなき意欲

レスリング74キロ級決勝 長谷川(鹿島学園)を果敢に攻める北村(京都八幡)=大東文化大東松山校舎総合体育館
レスリング74キロ級決勝長谷川(鹿島学園)を果敢に攻める
北村(京都八幡)=大東文化大東松山校舎総合体育館

 レスリング個人74キロ級で2年生の北村(京都八幡)が3月の全国高校選抜に続く頂点に立った。「自分のやりたいレスリングをやって勝てた。うれしいです」と2冠目獲得に胸を張った。

 試合直前、隣のマットで行われた60キロ級決勝で、先輩の田中がまさかの敗戦。これを見て「チームのためにも、京都のためにも勝ちたいという気持ちがわき上がった」と振り返る。

 第1ピリオド序盤にポイントを奪われたが、得意の両足タックルから相手を担ぎ上げて逆転。「一瞬、あきらめの気持ちが出たが、失敗してもいいから攻めよう思った。まぐれです」と照れ笑いする。しかし、開き直って攻撃に徹したことが流れを引き寄せた。

 続く第2ピリオドは一方的に攻めまくり、両足タックルからの連続技で次々とポイントを奪った。

 男山東中時代にも全国中学大会を2連覇するなど、同世代のトップを走っている。ジュニア時代から指導する浅井監督は「普段の練習から自分で課題を探して取り組める選手。大舞台でこの内容の試合は素晴らしい。完ぺきな投げだった」と目を細めた。

 北村は「まだ失点が多い。大会を通じて自分のメンタルの弱さも実感した」と冷静に話す。次の目標は2カ月の国体だ。「ディフェンス力をもっと磨いて、優勝したい」。全国選抜、インターハイに続く3冠に向けて、力を込めた。

 網野・半田守(50キロ級2位)「春の選抜大会は相手の右足にタックルを狙って勝てたが、今回はそれができなかった。警戒され、相手のペースに持って行かれた」

 京都八幡・田中幸太郎(60キロ級2位)「詰めの甘さが出てしまった。もっと変化を付けながら攻めたかったが、相手の受けもうまくポイントを取りきれなかった」

 網野・小石原拓馬(66キロ級2位)「相手のプレスが強く、自分のレスリングをさせてもらえなかった。自分の力が足りなかった」


◇ソフトボール

▽決勝

白鴎大足利(栃木)001 000 0=1

京都西山(京都) 200 000 ×=2

■予選から許した失点1 鍛えた堅守 大舞台で発揮

ソフトボール女子決勝 京都西山―白鴎大足利 1回裏京都西山2死満塁 金沢の左前適時打で、三走に続いて二走・谷口も生還し、2―0と先制する(鴻巣市・吹上総合運動場)
ソフトボール女子決勝 京都西山―白鴎大足利
1回裏京都西山2死満塁 金沢の左前適時打で、
三走に続いて二走・谷口も生還し、2―0と先制する
(鴻巣市・吹上総合運動場)

 京都府予選から全国優勝までに許した失点は1点だけだった。最後の決勝もエース森が力投し、相手打線をわずか1安打に抑え込んだ。2年の森は「気合で頑張った。先輩たちが励ましてくれたおかげ」と感謝する。抜群の投手力と練習で鍛え上げた堅守が、京都西山にインターハイ初優勝をもたらした。

 森は低めに球を集め、約100キロのライズボールで相手打者を打ち取っていく。三回二死から失策で1点を許し、次打者に二塁打を浴びたが、ピンチはそれだけ。最少失点で切り抜けると、その後は毎回三者凡退で締めた。捕手の清原は「疲れはあったはずなのに、球は良かった。すごい投手」と感心する。

 打線もエースの力投に応えた。初回二死満塁から金沢が左前適時打を放って2点先制。「冬に通算2万回の素振りをして打力を鍛えた」と胸を張る。硬式用のバットを使ってパワーを付けた成果が、大舞台で発揮された。

 今年で学校は創立60周年。北京五輪にOGの狩野亜由美、江本奈穂(豊田自動織機)も出場予定で、吉田監督も「今年は特別な年」と今夏にかける気持ちは大きかった。主将の小西は「夢だった監督の胴上げができ最高の気分。私たちが優勝したんだ」。金メダルを胸に誇らしげに笑った。

苦節36年、悲願達成 吉田監督

 初めて届いた夏の全国頂点だ。全国強豪と呼ばれながら最後に残っていた目標をついに達成し、京都西山を率いる吉田茂樹監督(58)は「苦節36年。ようやく悲願が達成できた」と喜びをしみじみとかみしめた。

 小学校から野球を始め、乙訓高では捕手。大学卒業後に赴任した西山高(当時)でソフトボール部の創設と監督を頼まれた。強豪の練習を学んで選手を鍛え、インターハイ出場は16度目を数える。選抜大会や国体での優勝など輝かしい実績を築いてきたが、インターハイだけは頂点に届かなかった。

 優勝が目前に迫った九回二死。タイムをとって自らマウンドに足を運び、投手の森に「自分の納得いくように投げろ」と伝えた。信頼した選手が頂点を勝ち取ると、安堵(あんど)の笑顔が広がった。

 3年前にがんで入院。1年間の療養生活を経てグラウンドに戻ると体重は20キロも減っていた。「昔は選手を怒鳴り散らしていたけど、わたしも変わった。自分が成長した分も、優勝に貢献できたのかな」と照れ笑いした。

初優勝を決め、投手の森に駆け寄って喜ぶ京都西山ナイン
初優勝を決め、投手の森に駆け寄って喜ぶ京都西山ナイン

京都西山のメンバー


◇ホッケー

▽女子決勝

伊吹(滋賀) 6―4 岐阜各務野(岐阜)

■粘りと個人技 結実

ホッケー女子決勝・伊吹―各務野 4得点と活躍した伊吹の亀崎。前半34分、ドリブルで相手ディフェンスをかわしてシュートを決め、3―1とする(飯能市阿須ホッケー場)
ホッケー女子決勝・伊吹―各務野 4得点と活躍した伊吹の亀崎。
前半34分、ドリブルで相手ディフェンスをかわしてシュートを決め、
3―1とする(飯能市阿須ホッケー場)

 個人技を駆使した攻撃と、一丸となった粘りの守備が光った。樋口修監督は「3年が少ないチーム。みんなで助け合って頑張ってくれた。本当にうれしい」と6年ぶりの優勝を涙ぐみながら喜んだ。

 伊吹らしい攻撃は、1点先制された前半27分から始まった。ドリブルを中心に敵ゴール前へ攻め込み、相手の反則を誘った。ペナルティーコーナーからDF滝沢が同点弾をたたき込むと、勢いに乗ってFW亀崎が2連続ゴール。亀崎は「前へ前へが伊吹。好機を逃したくなかった」と話す。

 しかし後半、相手に前線からプレッシャーをかけられ、パスカットから反撃されて2失点して同点に追いつかれる。劣勢に立たされたが、16分にGK後藤が相手のシュートをファインセーブして悪いムードを一掃すると、粘りの守備が相手の運動量を上回り、徐々に伊吹ペースに戻った。

 カウンターからサイドアタックを繰り返し、27分。シュートが相手GKに阻まれたが、FW金藤が詰めて勝ち越しゴール。「少しでも可能性があると思って走った。夢中でゴールを狙った」。終盤はカウンターの応酬で1点ずつを取り合ったが、亀崎がドリブル突破。GKをかわしてダメ押し点を奪った。

 準決勝では延長で引き分けPS戦で決勝に進出。大橋主将は「厳しい試合を乗り越え、チームが一つになれた。最後まで全員が走りきれたことで優勝できた」と笑顔で優勝をかみしめていた。

ホッケー女子決勝 各務野を下し優勝を決め、歓喜にむせび応援席に向かう伊吹の選手たち
ホッケー女子決勝 各務野を下し優勝を決め、歓喜にむせび応援席に向かう伊吹の選手たち

▽男子決勝

横田(島根) 6―1 伊吹(滋賀)

■男子は悲願ならず

ホッケー男子決勝・横田―伊吹 前半10分、左サイドからのパスを受けた伊吹の清家が攻め込むが横田のGK青木に阻まれる
ホッケー男子決勝・横田―伊吹 前半10分、
左サイドからのパスを受けた伊吹の清家が攻め込むが
横田のGK青木に阻まれる

 19年ぶりの優勝、そして男女そろっての優勝が、王者・横田(島根)の組織的攻撃の前に消えた。北川監督は「力負けです。技術的に差もあったし、伊吹らしさが出せたのは後半の途中からだった」と肩を落とした。

 スクープでロングパスを通し、サイドアタックから得点を狙う相手に、伊吹守備陣が切り裂かれた。少ない好機からカウンターを狙うも、速い守備に阻まれシュートが決まらない。後半20分には6点差を付けられた。

 それでもそこから意地を見せた。森主将が中央で球を受けると猛然とゴールへドリブル。相手サークル内で反則を受けて得たペナルティーコーナーから1点を返した。

 森は「個々の力は出せたがそれだけでは勝てない」と唇をかむ。選抜大会では横田に準決勝で敗退。雪辱だけを目標に決勝まで来た。「守備のレベルを上げないと勝てない。国体が最後の雪辱のチャンス。この悔しさは絶対に忘れない」。3連覇を果たし喜ぶ相手チームを目に焼き付け、3度目の正直を誓った。


◇フェンシング

▽男子団体準決勝

大分農府(大分) 5―4 龍谷大平安(京都)

■納得できぬ負け方

 フェンシング男子団体の準決勝で、龍谷大平安が大分豊府(大分)に4-5で競り負け、3位に終わった。

 3人ずつの総当たりで先に5勝した方が勝つ団体戦。4-4で迎えた9試合目、2年の北尾が4-5で逆転負けした。北尾は「カウンターが決まり、いきなり4ポイント取れたが、そこで守りに入ってしまった」と悔やむ。その後、立て続けに5ポイントを奪われた。

 7戦目を落とした山口主将は「最後の1本が突けなかった。優勝しか考えてなかったので、悔しい」とうつむく。選抜大会と同じ3位。池端監督は「この負け方は納得できない。頂点に行くにはまだまだ練習が足りないということ」と悔しさをにじませた。


◇重量挙げ

▽105キロ級トータル

(1)高橋一平(滋賀・安曇川)280キロ

■滋賀県勢30年ぶりV ジャーク 大会新「最高の気分」

105キロ級ジャークで大会新記録の162キロを成功し、優勝した安曇川・高橋(さいたま市記念総合体育館)
105キロ級ジャークで大会新記録の162キロを成功し、
優勝した安曇川・高橋(さいたま市記念総合体育館)

 重量挙げ105キロ級で高橋一平(安曇川)がジャークで162キロを挙げ、大会新記録を樹立し1位になった。春の選抜大会に続きトータルでも優勝。重量挙げでは滋賀県勢で30年ぶり2人目となる栄冠を手にした。

 ジャークの試技3度目。すでに157キロを成功し、ジャークとトータルの優勝を決めた高橋は大会記録よりも1キロ重い162キロに挑んだ。バーベルを胸でグッとこらえ、一気に持ち上げた。一瞬ややふらついたが、しっかりと床を踏みしめて静止。大会新記録の誕生で、会場には歓声が響いた。「インターハイ記録を塗り替えるのが目標だった。最高の気分」。誇らしげにメダルを握った。

 大会新にこだわった。3月の選抜大会でジャークの大会記録158キロ更新に失敗していたからだ。それ以後「インターハイ記録を塗り替える」が目標になった。多い日には1日600回を超えるスクワットをこなすなど黙々と努力を続けてきた。堀内監督は「謙虚に努力を続けられる性格が結果につながった」と話す。

 小、中学校では野球部だった。安曇川高にウエートリフティング部があるのを知り興味本位で入部した。すぐに「努力の成果が確実に数字に出る」(高橋)のが気に入り、のめり込んだ。

 念願の大会新を達成しての優勝に「チームの仲間や監督、OB、支えてくれた人がいたから挙げられた」としみじみ話す。次の目標は高校記録の更新だ。「浮かれずに努力をして、記録を伸ばしていきたい」と目を輝かせた。

▽94キロ級トータル

(2)小林(京都・加悦谷)261キロ

■「悔しい」2位

ジャークで自己ベストの147キロに成功し、雄たけびを上げる加悦谷・小林
105キロ級ジャークで大ジャークで
自己ベストの147キロに成功し、
雄たけびを上げる加悦谷・小林

 94キロ級で選抜大会に続く連続優勝を目指した小林克己(加悦谷)はトータル261キロで2位に入った。ジャークも自己新の147キロを成功させて2位。「トータル2位は悔しいが、ジャークで自己ベストはうれしいです」と、ホッとした表情を見せた。小林はスナッチで110キロを2度続けて失敗。3度目は狙っていた120キロを、114キロに落として差し上げ記録ゼロは免れた。川畑監督は「追いかけられるプレッシャーがあったのだろう」と振り返った。

 気持ちを切り替えて臨んだジャークは3連続で成功した。138キロ、144キロと続けて挙げ勢いづき、最後は自己ベストを2キロ上回る147キロに挑んだ。試技場に立つと、仲間の声援が聞こえたという。胸まで持ち上げて呼吸を整えると、力強くバーベルを押し上げた。小林は「試合で自己新記録は初めて。自分の気持ちの弱さを、仲間が助けてくれた」と感謝していた。


◇水泳

▽女子400メートル自由形

(1)田井中千加(京都外大西)4分12秒62=大会新

■自分の泳ぎできた

 ○…女子四百メートル自由形で、田井中千加(京都外大西)が大会記録を更新し、2年ぶりの優勝を飾った。50メートルをトップで折り返すと、終盤も失速することなく頭一つ抜け出たままゴール。戸谷監督は「横綱相撲だ。日本代表の力を見せつけてくれた」と目を細めた。

 1年の時に自由形の二百メートルと四百メートルで優勝したが、昨年は世界競泳出場のため、インターハイは出場しなかった。それだけに最後の夏に懸ける思いは強く、田井中は「順位も記録も欲しかった。自分の泳ぎができて、大会新も出せてうれしい」と喜んでいた。


◇水球

▽準決勝 前橋商(群馬) 9-4 鳥羽(京都)

■実力通りの結果

 ○…水球の鳥羽は2連覇中の前橋商に準決勝で完敗、4年ぶりの決勝進出を逃した。

 第1ピリオドは2-2の同点。マンツーマンで守備に就いたが、相手の豊富な運動量に振り回され、第2ピリオドで一気に4点を奪われた。第4ピリオドもカウンター攻撃から得点を許し、差を広げられた。

 前橋商とは、昨年も同じ準決勝で対戦し、敗れた。岩佐監督は「なんとか食い下がりたかったが、実力通りのスコア。気持ちを切り替えて3位決定戦を頑張りたい」と悔しさをにじませた。

▽3位決定戦  鳥羽 9-8 鹿児島南

■昨年の借り返せた

 ○…水球で3位決定戦に臨んだ鳥羽が、昨年敗れた鹿児島南に雪辱を果たした。竹井主将は「内容は良くなかったが、とにかく勝ちたかった。最後に勝ててうれしい」と声を弾ませた。

 昨年は同じ3位決定戦で延長戦の末に7-8で逆転負けし、涙をのんだ。しかし今夏は、序盤に許したリードを第3ピリオドで逆転。粘りの守備とパスワークからの攻撃で第4ピリオドもリードを守り抜き、3位をつかみ取った。岩佐監督は「後半に入ってようやく力を出せた。やっと昨年の借りを返せた」とほっとした様子だった。