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京都サンガのカメラマン、神崎順一さん

■最高の瞬間のために サンガ・オフィシャルカメラマン神崎順一さん

 かんざき・じゅんいち 同大、日本写真専門学校卒業後、京都市内の文化財、伝統行事、企業商品の撮影など幅広い分野で活躍。1989年に「京都現代写真作家展」で大賞を受賞。京都嵯峨芸術大非常勤講師。左京区在住。62歳。
 かんざき・じゅんいち
 同大、日本写真専門学校卒業後、
京都市内の文化財、伝統行事、企業商品の
撮影など幅広い分野で活躍。
1989年に「京都現代写真作家展」で
大賞を受賞。京都嵯峨芸術大非常勤講師。
左京区在住。62歳。

 京都サンガとの出会いは小雨混じりの吉祥院グラウンド(京都市南区)だった。1994年1月。Jリーグ昇格を目指すチームの練習写真を撮るために訪れた。土のグラウンド、無名の選手。「華やかなJリーグのイメージとは違っていましたね」

 以来、サンガのオフィシャルカメラマンとして毎年、ホームゲームや名古屋以西のアウェーゲームで選手を撮影している。写真はクラブの刊行物やホームページに掲載される。

 Jリーグ昇格を目指しJFLで戦った95年シーズンが最も印象深いという。勝てばJリーグ昇格に王手がかかる福岡ブルックス(現J2福岡)戦。延長戦の末に勝利した時は「感動して、ファインダーをのぞきながら涙が出てきました」と話す。

 試合ではピッチ横でカメラを構え、最高の瞬間のために神経を研ぎ澄ませる。だからこそ、選手のプレーの微妙な変化が分かる。「調子のいい選手はスライディングやヘディングのフォームに美しさがある」

 サッカーでいい写真を撮るにはポジションが最も大事だという。タイミングが良くてもゴールを決めた選手の背中しか写らない場合もある。だが時に「神のささやき」が聞こえるという。「自分が動いた方へ選手が来てくれるんです」。その快感は何事にも代え難い。

 西京極陸上競技場に来たカメラマンには積極的に声をかける。逆光になったり、ナイター照明の影響で撮りにくいポイントを事前に教えてあげる。自身も不慣れなスタジアムで撮影する時に戸惑った経験があるからだ。「おかげで全国のカメラマンと親しくなれました」と喜ぶ。

 シュートした選手、ゴールに突き刺さろうとしているボール、それにわずかに届かないゴールキーパー。一枚の写真にこの3つの要素が収まるのが理想。「でも、それよりもサポーターと選手が楽しくふれあっているシーンの方がいい」。大好きになったサンガの歓喜の瞬間を頭に描き、思わず笑みがこぼれた。

(2009年5月2日付け夕刊紙面から)