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僧侶でサッカー1級審判員 岡宏道さん(30)

■ボールの近くで判定、毎試合懸命に

「1試合1試合を一生懸命、取り組んでいきたい」と話す岡さん(左京区・大乗寺)
「1試合1試合を一生懸命、取り組んで
いきたい」と話す岡さん(左京区・大乗寺)

 きりりと頭をそり上げ、ピッチでゲームを仕切る。京都市左京区の大乗寺の副住職と、日本サッカー協会の1級審判員の二つの顔がある。昨季、日本フットボールリーグ(JFL)の優秀レフェリー賞に輝いた。「よく走ってボールの近くで判定しよう、と意識してきた。一生懸命やってきたことが評価されうれしい」と喜ぶ。

 寺の長男として生まれ、幼いころから祖父について檀家を回った。多くの大人に接し、相手の気持ちを感じて育ってきた。その経験が審判にも生きているという。「ファウルを取って終わり、ではない。選手が安心してプレーを最後まで続けられるよう、試合を整えるのが仕事」と話す。

 洛北高サッカー部2年のときの練習試合。副審をしていると、対戦校の監督で元国際副審の山口森久・現京都府サッカー協会副会長に資格取得を勧められた。高校時代に4、3級を取り、社会人の多い講習会の場に顔を出し始めた。副審として旗を振れば、主審として笛を吹く先輩がまぶしくも見える。「自分も笛を吹きたくなる。はまってしまいました」と苦笑いする。地道に経験を積み、27歳で1級に昇格した。

 昨季は練習試合も含めて約70試合を担当した。うち20試合はJ2で副審を務め、今季は主審に昇格する。「高いレベルで(笛を)吹ける充実感がある。すごく楽しみではあります」

 「お葬式や法要を一座と言いますが、一座一座を一生懸命にやってきた。審判ももちろん同じ」。お坊さんらしい含蓄ある言葉で意気込みを話した。京都市左京区在住。

(2010年2月5日付け紙面から)