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関西学生・アメリカンフットボール 京大再建へ全身全霊

■1998年度主将・西村大介氏 退社、無給で専任コーチ

今夏からボランティアで京大コーチに就任した西村氏(左)=9月18日の関大戦・万博フィールド
今夏からボランティアで京大コーチに就任した西村氏(左)=9月18日の関大戦・万博フィールド

 2006年1月に発覚した元部員による集団暴行事件で春季の活動を自粛し、秋季リーグに参戦した京大アメリカンフットボール部に、OBで元主将の西村大介氏(二九)が8月から守備コーチに就任し学生の指導にあたっている。不祥事に加え、近年低迷するチームを立て直すため、経営コンサルタント会社を退社して無給でコーチを引き受けた。「日本のどの学生や若者よりも濃密で真剣に生きてほしい」と再建に力を注ぐ。

 1998年度の主将で現役時代はDLとして活躍した。社会人の東京海上でも守備陣の主力で日本代表の経験もある。引退して転職した経営コンサルタント会社で昨年7月に大阪勤務となったことから週末だけ京大を訪れていた。元部員の事件を機に、「選手にはプレー中にいつもリスクを冒せと言ってきた。事件後も誰も辞めず必死になっている。OBとして何かしないといけない。情熱をかけたい」とボランティアで専従コーチを買って出た。水野監督も「調整型ではなくぐいぐいと引っ張っていくタイプなので感謝している」と強力な助っ人に大きな期待を寄せる。

 「走って当たれ。ボールのところに行け」と守備陣への指導はいたってシンプル。今月18日の関大戦ではライン戦で圧倒、4年ぶりの完封勝利を飾るなど練習の成果が表れてきた。しかし、「鉄のカーテン」と呼ばれた95年の日本一、96年の大学日本一に輝いたDF陣を知る西村コーチは「まだまだひよっ子。試合で成長していくしかない」と厳しい姿勢を崩さない。

 現在は京都市左京区のクラブハウスで学生らと寝食をともにしている。無収入で生活は厳しいが「充実している」ときっぱり。10月1日は西京極陸上競技場で、ともに開幕から2連勝のライバル関学大と伝統の一戦に臨む。西村コーチは「京大アメフット部の4年生にとって関学大との試合は人生で一番幸せな時間。頑張りたい」と熱く語った。