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(3)キャッチボール

2009年06月12日

キャッチボール

 2009年も早、6月中旬にさしかかった。今年の前半のスポーツ界は、WBCで日本代表が苦しみながら2連覇を飾り、盛り上がった。

 野球の基本は「キャッチボール」であることには異論がないだろう。筆者は野球少年ではなかったが、子どものころにキャッチボールをした思い出はある。1970年に京都新聞社に入社したころ、昼休みともなると、だれかが仕事机の引き出しからグラブとボールを持ち出し、キャッチボールをした。

 別に社員同士の「コミュニケーション」づくりなんて考えてはいなかったが、自然に気持ちが通い合う効果があったのかもしれない。最近は、町でも公園でも、キャッチボールで遊ぶ人々をさっぱり見ない。ちょっとした空き地や公園の多くは、「危ないから」とキャッチボールが禁止されている。そのうち、自転車には乗れるが、キャッチボールはできない子どもたちがいっぱいできるのだろう。

 なんか寂しいな、と思っていたら、京都新聞の「丹波版」(3月25日付け)に、南丹市八木町の障害者支援施設で、昼休みにキャッチボールをしている、という記事が出た。運動不足解消のために3年前から始めたのだという。身体、知的障害者らが少しずつ投球、捕球に慣れていった姿を伝えている。職員2人を含め計8人が楽しんでいるそうだ。

 ある整形外科医(スポーツドクター)から、ボールを投げる(捕る)動作は、実は非常に高度な身体運動である、という話を聞いた。人間は「二足歩行」をしているが、腕は、かつて「4本足の前足」であったと考えると、キャッチボールができるようになったのは、人類の「進化」のおかげである。

 おやじ族文化の一つでもあるキャッチボール普及のNPO法人でも作ったら面白かろうと考えている。