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(5)メジャーとマイナー

2009年07月12日

第91回全国高校野球選手権京都大会の開会式
第91回全国高校野球選手権京都大会の開会式

 「甲子園」を目指す高校野球の全国の地区大会が熱戦を展開している。高校時代、ソフトテニス部(当時は軟式庭球)にいた。母校は、野球とサッカーが全国レベルで強く、我々は、何とか追いつこう、追い越そうと頑張っていた。野球部が甲子園に出ると、何台もの応援バスが学校を出発していった。もちろん、その日もテニス部は学校のコートで黙々と練習していた。

 スポーツ記者になって、「メジャースポーツ」「マイナースポーツ」という言葉が、いつも気になった。メジャーは、人気があり、競技人口が多く、スター選手も出て、従ってマスコミにもよく取り上げられるスポーツといえばいいだろうか。マイナーは一般的に、その逆と考えればいいだろう。

 日本のスポーツで、メジャーの筆頭は野球に違いない。しかし、その野球の中でも、アマチュアでは高校野球の人気が突出している。関西では、大学野球の観客は少なく、社会人野球(昔はノインプロと言った)だって似たようなものだ。第2のプロ野球といわれる「独立リーグ」も、スポンサーは十分でなく、チームもリーグも運営に苦労する。高校野球で甲子園出場を経験した選手が、大学や社会人でプレーしたとき、観客の少ないスタンドに、どんな思いを持つのだろうか。

 マイナースポーツといわれる競技でも、五輪で大活躍するとフラッシュライトのような脚光を浴びる。北京五輪で同志社大学出身の太田雄貴選手が、日本人として初のメダル(銀)を獲得、フェンシングがマスコミに再三取り上げられた。ソフトボールも五輪での活躍が競技の注目度を高めている。

 国内では、マイナースポーツを見てもらえる最も良い機会が国体だ。ホッケーは、国体の開催地が「わが町チーム」をつくり、みんなで応援して、国体後もチームが定着する、という伝統がある。全国の強豪になっている京都の須知高校、滋賀の伊吹高校などは、この良い例である。一方で、国体でもなければ、なかなか普及できないという悩みがホッケーにはある。

 同じマイナーでも、五輪競技になっているスポーツは、少なくとも4年に1度は、メダルを取れば注目される。しかし、五輪で行われない競技は……。話がなんだか暗くなってきたが、メジャーだろうが、マイナーだろうが、選手も指導者も好きな種目を力いっぱい楽しんでいることだけは、まったく同じなのである。応援団だって、数の違いはあっても熱い気持ちは変わらない。

 現役の運動部記者時代、仕事だから野球のスコアブックのつけかたは覚えたし、甲子園にも通った。野球と、長く取材したサッカーを比較して、それぞれ異なる面白さがあることも知った。しかし、どこかで、マイナースポーツを忘れないでおこうという“対抗心”のようなものを持っていた。今年も、夏の甲子園のシーズンがやってきて、一般にマイナーといわれるスポーツへの熱い気持ちが、また少したかぶっている。