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(9)京都ハンナリーズ

2009年10月07日

当日配られた選手紹介のパンフ
当日配られた選手紹介のパンフ

 プロバスケットボールのbjリーグに、2009年―10年シーズンから新たに参戦した京都ハンナリーズが今季bj開幕日の10月3日、京都市体育館で初戦に臨んだ。相手は滋賀レイクスターズ。黒星スタートとなったが、会場は京都で初めてのプロバスケットボールチームの誕生に、盛り上がった。

 歴史都市の京都は、近代スポーツでも先駆的な役割を担った。バスケットボールは、1915(大正4)年に京都に紹介された。2年後の極東オリンピック(東京開催)には、京都YMCAが出場した。戦前には高等女学校のバスケットボールが活躍、戦後は大学チームが健闘し、近年は小学生のミニバスケットボールから、社会人の多くのクラブチームまで、幅広く活動している。洛南高校の全国制覇ばかりでなく、優秀な国際審判を輩出しており、「バスケットボール人」の層の厚さを誇っている。

 京都バスケットボール協会は、協会傘下ではないプロチームのハンナリーズを積極的にバックアップ、開幕戦を迎えた。京都市体育館は、京都の主要な体育館ではあるものの、これまで地元のアマチュア試合を中心に行っており、私自身は地味なイメージを持っていた。

開幕戦の様子
開幕戦の様子

 しかし、bjリーグを迎えたこの日は違った。天井から大型の4面電光掲示板・スクリーンが吊り下げられた。両チーム得点、試合の残り時間、ファウルの種類、あるいはタイムをとって作戦ミーティングをするベンチの映像などを見ることができた。フロアには、bjデザインのバスケットボールコート1面を設置した。その両サイドに組み立て式の観客席を特設。その上に、常設のスタンド席があって、応援の一体感も演出した。作戦タイムなどには、京都ハンナリーズチアダンサーズ「ハンナリン」がコートで躍動、応援を一層盛り上げた。

 試合は、リーグ初参加のチームとしては仕方ない面もあるが、選手の動きがいかにも硬いように見えた。記念すべき初得点は、ジョッシュ・ボスティック(背番号22)のフリースローだった。それにしても、私がバスケットボールの取材を始めた頃の2メートル級選手は、まさに「高さ」が武器で、「速さ」はそれほど期待できなかった。しかし、陸上や水泳で、次々に記録が更新されていくように、2メートル級選手の運動量は格段に多くなっている。迫力のあるプレーを、コートサイドで「見る」というより「感じる」楽しさがあった。京都バスケットボール協会の石川俊紀会長(京都産大教授)は「開幕戦は良い形で盛り上がった。チームづくりには課題があったが、京都のバスケットボールのトップチームだし、試合を見た子どもたちもいろいろと学んでくれるだろう」と、ハンナリーズの活躍を待望する。

開幕戦の様子

 また、京都のFMラジオ局・αステーションが4日から毎週日曜日の夜に、ハンナリーズを紹介する番組「ハンナリズム」を始めた。

 京都にスポーツの新しい楽しみができたこと確かだが、開幕戦を見て、会場の雰囲気で少し思ったことを述べさせてもらおう。京都らしい応援スタイルがこれから生まれることを期待したい。阪神タイガースの風船飛ばしは、体育館の試合ではプレーに支障が出るが、他に、「イケイケ」、「残り1分」、「逆転へゴー」、「今が辛抱だ」など、バスケットボールらしい局面にふさわしい、いくつかの応援バージョンを開発してみたら、と思う。チーム運営に余裕が出てきたら、手作り感覚の観客サービスを増やすことも大切だろう。プロスポーツでは、「勝つことが最大のファンサービス」とも言えるが…。

開幕戦の様子

 最後に。bjリーグは「見せる」「魅せる」スポーツとするなら、茶色一色のボールがあまりに地味だろう。ボールのデザインは、選手が使いにくくては論外だが、よりスピード感を演出できるボールであれば、一層楽しめると思った。