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(12)スポーツウエア、シューズ、そして整体

2010年02月04日

■スポーツ何でも知っと講座

 長岡京市体育協会の認定スポーツ指導員養成講習会が2010年1月23日、同市の西山公園体育館で開かれた。「スポーツ何でも知っと講座21」のタイトルで、スポーツウエア、シューズ、それに整体について学んだ。


 ワコールのウエルネス事業部のコンディショニングアドバイザー・岡智恵子さんが、豊富なデータと経験から、人間の体とスポーツウエアの関係などについて話した。

 ワコールというと、女性の下着メーカーというイメージが強い。スポーツ分野では、「スポーツブラ」、同社の人間科学研究所が開発したコンディショニングウェア「CW―X」がよく知られている。今回の指導員養成講座でも、主なテーマになった。

 体を動かしたり、スポーツをする場合に、体の重心の位置が大切だ。女性はバストの位置で重心の位置も変化するため、スポーツブラは正しいバストの位置を導く、という機能を持たせる。また、同社のデータによると、フルマラソン(42・195キロ)を走ると、バストは36万回揺れるという。ワイヤーの入った普通のブラジャーをつけて走っていた選手は、ワイヤーが当たる部分の皮膚がすりむけ、走った後にシャワーをしても激しい痛みがあったそうだ。

 ワコールといえば、1996年のアトランタ五輪マラソンで12位だった真木(現姓山岡)和選手や、現役で活躍する福士加代子選手ら、多くのトップレベルの選手が活躍している。これまでに、それらの選手からさまざまな意見、あるいは注文を集めている。冬場のフルマラソンでは、35キロを過ぎたあたりから体が冷えてきて、走りづらくなることがある、という声もあったそうだ。スポーツブラには、バストの安定、肌の保護、保温などさまざまな機能が求められる。一昔前は「スポーツブラはダサい」という定説のようなものもあったが、今では「スポーツ美」をしっかり演出できている。

 「CW―X」は、大リーグのイチローをはじめ、多くのトップアスリートが着用して体のコンディションを整えている。開発のきっかけは、一人の社員の提案だったという。その社員の妹がスキーでけがをしたが、たまたまテーピングのできる人が近くにいたので処置をしてもらうことができた。「専門知識が必要なテーピングができなくても、同じような機能を持ち、簡単に身につけられるものがあったら」。それを聞いた社員が会社で話をしていて、ヒット商品にむすびついた。現在は、高機能のプロモデルをはじめ、軽いスポーツ用なども開発されている。無用なけがの防止、という点ではCW―Xの機能をよく理解して着用することが大切だろう。


 アシックスからは、スポーツ工学研究所機能研究部の人間特性研究チームから勝眞理さんが訪れ、シューズについて話した。シューズに必要な8つの機能として▽クッション性▽通気▽グリップ▽軽量▽トータルバランス▽耐久性▽屈曲性▽フィット、安定性―があり、さまざまな用途にしたがって、その8つの機能を組み合わせるそうだ。

 それと、使う人によってもシューズの選び方は変わる。例えば、陸上の競技選手の場合、長い距離を走ってもフォームは安定していて、足にかかる衝撃はあまり変化がない。しかし、一般の人が長い距離を走ると、だんだん足にかかる衝撃が大きくなっていく。従って、一般の人向けのランニングシューズは、8つの機能の中で、クッションを重視して作るそうだ。

 シューズを作る上では、ランニングは着地のときのつま先の角度が地面に対して小さく、ウォーキングでは、逆に大きい、という違いがある。当然、ランニングシューズと、ウォーキングシューズでは形が違ってくるわけだ。

 問題は、いかに良いシューズを作っても、使う人が自分の足、運動内容に合ったシューズをはいているか、という点だ。調査では。中高年層で適合しないシューズをはいている例が半数近くあったそうだ。アシックスでは販売店の店頭で、ユーザーに対して、どのシューズがピッタリかを機械で計測できるようにしようと、設備を整えているという。


 自力整体術の講義では、指導員・ナビゲーターの福井千景さんが実地指導した。2時間では「基本の『き』まで理解してもらえるかどうか」と言う福井さんだが、手と足の指が体の内臓とつながっていること、ばんざいをしたときの腕の付け根は、わきの下の位置ではなく、実は肋骨(ろっこつ)であることなど、からだの仕組みを分かりやすく説明した。

整体の実技指導
整体の実技指導

 自力整体は、基本的に体内の温度をあげる動きであり、スポーツでよく使うストレッチとは別のものだと解説。さまざまな整体のやり方を参加者が試したが、「痛いのを我慢してするのではなく、痛いけれど気持ちいい、という範囲で、一日に少しずつでも必ず継続することが大切」と強調した。