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(18)2011年の京都スポーツあんな話こんな話

2011年02月03日

 2011年の京都スポーツ界は、第89回全国高校サッカー選手権で久御山が準優勝し、全国女子駅伝では京都府チームが2年ぶり14度目の優勝を飾るなど、明るい話題でスタートした。本年も、さまざまな分野で活躍が期待されるが、一方で課題もある。思いつくままに紹介してみよう。


■第66回国体「おいでませ!山口国体」

 2010年の千葉国体で、京都は男女総合成績(天皇杯)で4年ぶりの入賞となる7位(1443点)、女子総合(皇后杯)では3年ぶり入賞の8位(709点)だった。

 国体は、戦後の全国各地域のスポーツ振興を支えたが、近年は、開催経費を負担する開催地自治体の財政難などがクローズアップ。日本でもスポーツが急速にプロ化し、基本的にアマチュアの大会である国体の競技レベルが落ちている、という指摘もある。

 しかし、40の正式競技(別に高校野球を公開競技として実施)の総合力で都道府県順位を決定する国体の形式は、地方にとってはスポーツのレベル、スポーツ振興の進み具合を自ら点検できる良い機会になるだろう。各都道府県が、府、県民の代表である選手団を編成することで、一体感を醸成できるのも国体ならではの利点といえる。

 2011年の国体は、山口県が主会場となり、10月1日から11日まで開かれる。国体は主会場を全国持ち回りで開催、1988年の京都国体が二巡目トップとされた。山口県開催は1963(昭和38)年以来となる。今国体の冬季大会のスケート、アイスホッケー競技は1月26日から5日間、青森県八戸市で開催、スキー競技は2月12日から4日間、秋田県鹿角(かづの)市での開催。

 国体の順位といえば、地元で開催した後は、天皇杯、皇后杯とも急速に成績を下げてしまう県が見られるが、京都府は京都国体以降も、一定の競技力を保っている。2010年の入賞をバネに、本年も8位内入賞が果たせるかどうか。京都府は、国体の40競技すべてにエントリーできるスポーツのすそ野の広さを持っており、総合力が武器だろう。

 京都府体育協会は3月6日、関係者懇談会を京都全日空ホテルで開催。府民総合体育大会の表彰式が行われるが、体協加盟の各競技団体役員が一堂に介し、国体入賞への決意を高める。

■「トップアスリート」「パワフル推進チーム」

 京都国体を機に、京都のスポーツの強化を目指す「府競技力向上対策本部」が誕生した。知事が本部長となり、「オール京都」の取り組みが続いている。個人の強化選手が「トップアスリート」、チームの強化指定が「パワフル推進チーム」で、2010年度はトップアスリートに、全日本空手道選手権優勝の荒賀龍太郎(京都産大)ら17人を指定。パワフル推進チームは▽サッカー 佐川印刷▽テニス 島津製作所京都産大ホッケー 立命館大▽ソフトテニス 京都市役所、ワタキューセイモア▽ソフトボール 佐川急便 となっている。2011年度は、6月に指定する。

 京都府では、別に「京都府スポーツ賞」の表彰制度を持っている。賞の種類は▽特別栄誉賞▽優秀賞▽特別かがやき賞▽未来くん賞(未来くん、は京都国体のマスコットの名前)▽マスターズ賞▽功労賞―となっている。また、京都府体育協会も独自の表彰を行っている。

■「熱戦再来 北東北インターハイ」

 高校スポーツの祭典、全国高校総合体育大会・インターハイは、7月28日から8月20日まで「2011年 熱戦再来 北東北総体」として、青森、岩手、秋田、宮城(カヌーのみ)の各県で開かれる。高校スポーツは1948(昭和23)年に全国高体連が設立され、全国各地で競技別の高校選手権を開いていた。1963(昭和38)年からは、各競技の全国高校選手権をまとめて「インターハイ」とした。

 2010年沖縄インターハイでは、女子ハンドボール女子の洛北が2年ぶり8度目の優勝。男子体操の洛南は3連覇が成らず7位。女子バレーボールの京都橘、男子卓球の東山は、ともに準々決勝で敗れた。それらのチームが、連覇、王座奪還を目指す。

 ほかにも京都には、全国制覇をしたり、今も全国トップレベルで活躍が期待されるチームが多い。▽水泳・水球 鳥羽 ▽ボート 東舞鶴、宮津、伏見工 ▽ホッケー 須知、立命館 ▽ボクシング 南京都 ▽バスケットボール 洛南、精華 ▽レスリング 網野、京都八幡▽ウエイトリフティング 加悦谷、鳥羽 ▽自転車 北桑田、向陽、花園 ▽相撲 鳥羽 ▽フェンシング 平安、同志社女子 ▽柔道 平安、京都学園▽ソフトボール 京都西山 ▽剣道 久御山、日吉ケ丘▽カヌー 久美浜、綾部 ▽空手道 京都外大西

 また、高校スポーツでは、夏のインターハイとは別にサッカーの全国高校選手権、ラグビーの全国高校大会、高校野球などがある。サッカーの久御山が強さをどう持続するかも注目される。ラグビーの伏見工は、2010年1月3日、全国高校大会の準々決勝で敗れたが、京都成章などを含め、レベルの高い京都での競り合いが今年も楽しみ。

 個人競技でも、陸上の洛南、京都橘、水泳の京都外大西、体操の城南菱創(りょうそう)、さらにゴルフなどで、どのような選手が飛び出してくるか。

■Jリーグの京都サンガ

 京都サンガは、2010年のJ1でプレーした。18チームの2回戦総当たりで17位(勝ち点=19、4勝7分け23敗)に終わり、4度目のJ2降格となった。

 2011年シーズンはJ2でプレーする。チームが前年より1チーム増えて20チームによる2回戦制の総当たりリーグだ。京都サンガの初戦は3月5日、アウェーで水戸と対戦。ホーム初戦は3月13日、西京極競技場で熊本との対戦。最終節は12月3日。ちなみに、J1は前年と同じ18チームによる2回戦制の総当たりリーグで行われる。

 京都サンガは、ゼネラルマネジャーに祖母井(うばがい)秀隆氏、新監督に大木武氏を迎え、チームの立て直しを図る。前シーズンの得点力不足は深刻だったが、チームに強力な「軸になる選手」をどう確保するかが、課題だろう。

■JFLの佐川印刷SC

 JFLは、プロであるJリーグの下に位置するアマチュアの全国リーグで1999年に発足した。2003年にリーグ加盟した佐川印刷SCは、優勝経験はないが、2009年に塩沢勝吾がシーズン得点王(17点)になっている。

 2010年シーズンは18チームの2回戦制総当たりリーグで行い、6位(勝ち点=53、(15勝8分け11敗)だった。クラブはJリーグ昇格の目標は掲げず、アマチュアの最高峰を目指して2011年シーズンに臨む。国体での活躍も期待される。

 2011年のリーグは、昨季と同じ18チームで、3月13日に開幕。

■女子サッカー・プレナスチャレンジリーグのバニーズ京都

 女子サッカーの全国リーグは、上部の「プレナスなでしこリーグ」と下部の「プレナスチャレンジリーグ」がある。長岡京市内に事務所を置くバニーズ京都は、2006年に創部、08年にNPO法人になった。

 2010年は、チャレンジリーグ・WESTに所属、6チームの3回戦制総当たりリーグで4月4日から9月19日まで戦い、2位(勝ち点=26、8勝2分け5敗)だった。その後、なでしこリーグとの入れ替え戦出場を決める試合があり、長野に勝ったが、高槻に敗れ、挑戦権は得られなかった。ちなみに、2010年はチャレンジリーグのEASTも6チームだった。

 バニーズ京都は2011年も、なでしこリーグ昇格が目標だ。

■bjリーグの京都ハンナリーズ

 京都ハンナリーズは、2009~2010年シーズンに新加入。初年度の順位は西カンファレンスの7チーム中6位(17勝35敗)だった。2010~2011年のシーズンは2010年10月16日に開幕、11年4月24日までの熱戦。

 リーグは16チームで、「東(7チーム)」と「西(9チーム)」の2カンファレンスに分かれている。各チームが52試合を行うが、対戦相手によって試合数が異なる変則リーグで行っている。東の上位4チーム、西の上位6チームがプレーオフに進み、優勝を決める。

▽京都が6回対戦する相手(西カンファレンス)=琉球、滋賀、宮崎

▽京都が4回対戦する相手(西カンファレンス)=大分、大阪、福岡、高松、島根

▽京都が2回対戦する相手(東カンファレンス)=浜松・三河、秋田、富山、東京、新潟、仙台、埼玉

 2010~2011シーズンの京都ハンナリーズは、試合を半分終えた時点で、13勝13敗の五分の成績。後半戦に上位への期待がかかる。

■プロ野球へ夢かけて

 プロ野球では、日本球界に復帰した大家友和投手(京都成章高―横浜―エクスポズなどメジャー6球団―横浜)、2010年のゴールデンクラブ賞に輝いた赤松真人外野手(龍谷大平安高―立命館大―阪神―広島)、平野佳寿投手(鳥羽高―京都産大よオリックス)、中日にドラフト1位で新入団した佛教大OBの大野雄大投手らに期待。

■女子プロ野球の京都アストドリームス

 2010年に誕生した女子プロ野球。初年度は、兵庫スイングスマイリーズと京都アストドリームスの2チームだけが参加、前期、後期20試合ずつを行った。京都は、前期が7月17日に終了して6勝14敗。後期は10月22日に終了して6勝11敗3分けだった。

 京都は2011年1月20日、新監督に佐々木恭介氏の就任を発表した。佐々木新監督は、1971年にドラフト1位で近鉄に入団。74年に外野手に転向、78年に首位打者(打率3割5分4厘)に輝いた。阪神、西部、中日の打撃コーチなどを歴任した。

 京都は、従来は男子スポーツだったレスリング、ウエイトリフティング、プロボクシング、水球、ラグビー、陸上の棒高跳びなどで、女子が積極的に取り組む実績がある。京都アストドリームスも、2011年シーズンでは兵庫に勝ち越し、京都に女子野球の根を張ってほしいところだ。

■大学スポーツ

 京都スポーツ界の特徴の一つが「カレッジスポーツ」だろう。今年も、頂点を目指すチーム、復活を期すチーム、ライバル対決に火花を散らすチームなど、興味深い。

 野球の2010年秋のシーズン。関西学生リーグで同志社大が優勝した。今年は連覇が目標になる。立命館大は4位、京都大は6位だった。京都大が、いつ「勝ち点」をものにして最下位の定位置を脱出するのか。

 関西六大学リーグでは龍谷大が優勝、京都産大が5位と、ライバルが明暗を分けた格好。京都産大の巻き返しが今年の焦点。

 京滋リーグは、京都学園大が9シーズンぶりで優勝。佛教大から勝ち点を奪ったのも9シーズンぶり。両校の競り合いでリーグを面白くしてほしい。

 アメリカンフットボールの2010年の関西学生リーグ。立命館大が優勝(関西大、関学大と同時1位)。立命館大は甲子園ボウルで早大に勝ち、学生日本一になった。2011年1月3日のライスボウルでは、社会人のオービックシーガルズに敗れた。真の日本一の目標を今年も持ち続けるだろう。

 関西学生リーグでは、京都大が4位をキープ、同志社大が7位だった。

 ラグビーの2010年の関西大学リーグは、同志社大が8チーム中7位と低迷、Bリーグ降格は入れ替え戦で勝って免れたが、2011年はなんとしても復活の年に。1月18日、中尾晃監督の退任が分かった。

 リーグ5位の京都産大は、全国大学選手権の出場決定戦で勝って3年ぶりで全国舞台に立った。1回戦で東海大に敗れたが、今年は関西の上位を見据える。立命館大はリーグ6位だった。2011年は京都の3校が上位争いをしてほしい。

 サッカーの関西学生リーグは、京都学園大が初めて1部リーグに昇格する。

 女子の学生駅伝は、今年も佛教大と立命館大のライバル対決が楽しみ。2010年は、関西学生女子駅伝で立命館大が優勝、全日本大学女子駅伝では、佛教大が2連覇した。2011年1月の全国都道府県対抗女子駅伝では、佛教大と立命館大の選手が、ふるさと代表として活躍。佛教大と立命館大の強化が京都ばかりでなく、全国に良い影響を与えるはずだ。

 男子バスケットボールの京都産大、アーチェリー、フェンシングの同志社大、ホッケー男子の立命館大、ボウリングの京都産大など、さまざまなスポーツで活躍も期待される。近年、大学勢は社会人・実業団に勝てない場面が多いが、長引く経済不況のために実業団スポーツが減る傾向にあり、学生の強化もスポーツ界全体の課題だろう。

■全国の舞台へ、国際舞台へ

 2011年は、ロンドン五輪の前年であり、代表選考会が次々に開かれる。五輪キップをかけた世界選手権は、体操(10月)、レスリング(9月)、ボート(8、9月)、卓球(5月)、アーチェリー(7月)、陸上(8、9月)がある。

 バレーボールはワールドカップ(11、12月)、バスケットボール女子はアジア選手権(8月)で五輪出場を競う。柔道、フェンシング、バドミントンのように、世界ランキングで五輪出場を決める競技もある。

 サッカー男子は6月から始まる2次予選から参加する。

 京都関係選手が2010年の広州アジア大会で活躍した。シンクロナイズドスイミングの小林千紗(立命館大―井村シンクロクラブ)と乾友紀子(立命館大)が銀メダル、フェンシングの太田雄貴(同志社大―森永製菓)が銅メダル、陸上女子3000メートルの早狩実紀(京都光華AC)が銅メダル、1万メートルでは、福士加代子(ワコール)が4位、吉本ひかり(佛教大)が5位。トライアスロン女子は、パートナーズ・チームケインズの足立真梨子(同志社大出)が優勝、土橋茜子(立命館大出)が銀メダル。今年も、五輪を目標に、国際舞台での活躍を期待しよう。

 サッカーの松井大輔(京都市出身、京都サンガ―グルノーブル)は、2010年南アフリカW杯でアシストを決めた。2011年1月のアジアカップのシリア戦で太ももを痛めたが、今年の一層の飛躍を期待。

 ガンバ大阪の宇佐見貴史(長岡京市出身)は、2010年のJリーグでベストヤングプレーヤー賞(旧新人賞)を受賞、一流選手の仲間入りできそうだ。

 近年、企業スポーツの撤退が続いたが、地道に活動しているチームが京都にはある。社会人野球の日本新薬、ニチダイ、あるいは増えてきた各クラブチームが「野球の灯」を守る。テニス女子の島津製作所、ソフトテニス女子のワタキューセイモア、同じく男子の京都市役所、フェンシングの京都クラブ、ソフトボール女子の佐川急便 などがある。また、女子ホッケーで新しいチームが活動を始めるし、すでに始動した女子バレーボールの雅クラブの“進化”も期待したい。

 2004年アテネ五輪の女子マラソン金メダルの野口みづき(シスメックス)は、2010年10月に、実業団女子駅伝西日本大会で2年5カ月ぶりのレース復帰。12月の全日本実業団女子駅伝で走ったが、本格復帰にはならなかった。逸材の復活に注目する。

■新しい風

 ビーチバレーボールの山本成美・土田みか(福知山成美高)組が2010年夏に高校日本一(ジャパン女子ジュニア選手権優勝)になった。京都は、さまざまな新しいスポーツにも挑戦する気風があるようだ。一層の成長を見たい。

 ラグビーは五輪参加を背景に、「7人制」の普及が課題。100年のラグビーの歴史がある京都から、新しいチームが出てくるだろうか。

■総合型地域スポーツクラブ

 スポーツを学校、企業の場でなく、いつでも、どこでも、だれでもが好きな種目を楽しもうという「総合型地域スポーツクラブ」。京都府内には2011年1現在、すでに33クラブは活動しているが、今、設立準備を進めている地域があり、新しいスポーツ文化の盛り上がりが楽しみ。

■サッカースタジアム建設、京都マラソン

 「府におけるスポーツ施設のあり方懇話会」(座長・桝岡義明府体協会長)が2010年から検討を重ねた。2011年1月19日、事実上の最終の会議を持った。▽スポーツ施設の充実には優先順位をつけて▽国際試合もできる球技場の新設検討▽老朽化した府立体育館のリニューアル▽スポーツ施設整備の専門部会の設置、調査など―を府に求めることにした。

 1月25日、府に対し以上の内容や、府立山城総合運動公園、丹波自然運動公園のテニスコート整備などを加わえ、「第1次提言」を提出した。

 Jリーグ・京都サンガのホームスタジアムは現在、西京極陸上競技場で、観客は陸上のトラックをはさんで試合を観るため、観客とピッチが近い球技場のような臨場感がないという声が多い。

 2012年3月に予定されている新しい京都マラソンのコース案が2010年10月に提示された。今年は準備が進む。今は、第二次マラソンブームといわれ、大阪、奈良での新しいマラソンが誕生。京都ならではの魅力有るレースとなるか。従来の京都シティーハーフマラソンは2009年の第16回を最後に終了した。