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スミソニアン航空宇宙博物館

2009年12月27日

航空機の歴史を一堂に展示

 長年あこがれていたワシントンDCにあるスミソニアン博物館に、2009年11月に行ってきました。

航空機の飛行する姿を真横から見られる館内
航空機の飛行する姿を真横から見られる館内

旧日本軍の戦闘機も並ぶ別館

 動力飛行100周年にあたる2003年12月に開館した別館は、ワシントンダレス国際空港のバス停(2E)からシャトルバスに乗り(バス代50セント)、約10分のところにあります。別館の正式な名称はスチーブン.ウドバー.ハジー.センターで、本館に収納できなかった航空機を展示するために建設されました。機体を修理復元する工場や、IMAXシアターなどが併設されている多機能型博物館です。

迫力ある機体のロッキード「SR71Aブラックバード」
迫力ある機体のロッキード「SR71Aブラックバード」

 バスをおりると広々とした駐車場の前に、管制塔とガラス張りの博物館が現れます。現在120機展示されており、フロアー展示に加え、多くの機体が天井から吊られていて、2階の回廊から飛行中の姿がみられます。 正面には、マッハ3・3で飛ぶ「ロッキードSR―71Aブラックバード」がどんと控え、レーダーに映らないスティルレス性能をあらわす非常に薄い胴体と、黒くぬられた偵察機は迫力があります。

 興味を引くのは、グライダーが展示されたのと、太平洋戦争での日本機が増えたことです。初めて見る夜間戦闘機「月光」、戦闘機「紫電改」、複座戦闘機「屠竜」、「彗星」、「桜花」、そして広島に原爆を投下したB29「ENORA GAY」、「コルセア」、「ムスタング」などが展示されています。

 宇宙展示館は、スペースシャトル「Enterprise」が展示され その大きさに圧倒されます。映画「ライトスタッフ」に出てきたマーキュリーカプセルが年代順に置かれ、ロケットも数多く見られます。民間航空機は古い旅客機が中心で、「ボーイング307」や、「367―80」。そしてエールフランスの「コンコルド」も見られます。

 タワーも見学でき、航空交通管制のレーダーでニューヨーク空港の実際の画面がモニターで見られます。

古いタイプの飛行機のコックピット
古いタイプの飛行機のコックピット

航空ファンの聖地を思わせる本館

 本館はワシントンDCの市内にあり年間600万人も訪れる航空フアンの聖地です。正面から見ると何の特徴も無いただのビルですが、中に入るとその展示数に圧倒されます。ここも2階建てですが、正面は吹き抜けで、チャック、イエガーが人類で最初にマッハを突破した「ベルX-1」、大西洋を横断したリンドバーグの「ライアンNYPスピリットオブセントルイス」、アメリカ初のジエット戦闘機「ベルXP-59A」が吊られています。

旧日本軍の戦闘機「紫電改」
旧日本軍の戦闘機「紫電改」

 その他、歴史的な航空機が多く、すべてが実機で、整備され今でも燃料を入れると飛べるそうです。宇宙館はドイツの「V-1、V-2」ロケット、「アポロ」、「ソユーズ」宇宙船などが展示されています。初期の飛行機としては ライト兄弟の「ライトフライヤー1909」や、リリエンタールのグライダー(模型)なども見られます。残念ながらグライダーの実機の展示は無く、日本機も「零戦52型」のみで、すこし寂しいところです。

リンドバーグの愛機「スピリットオブセントルイス号」
リンドバーグの愛機「スピリットオブセントルイス号」

 珍しいところでは、1972年にアポロ17号が持ち帰った月の石が、入り口に展示されており、誰でも触れることができます。

 やはり、噂たがわず、本館、別館ともすばらしい展示内容で、航空機関係者のみでなく多くの方が訪れてほしいいと思います。それにつけても、かつて世界に冠たる航空機を製造し、性能で他国を圧倒した我日本の航空機産業ですが、国内では、その博物館の少なさ、そして内容の貧弱さを嘆かずにはいられません。

USA陸軍の練習機TGIA
USA陸軍の練習機TGIA

名機といわれた旅客機「DC3」
名機といわれた旅客機「DC3」