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(5)「スポーツ障害のリハビリ」

2009年11月23日

スポーツ障害のリハビリって何をするの?


〈 野球肘、野球肩の場合 〉

 使い過ぎによるスポーツ障害の場合、手術になるケースは非常に少なく、9割はリハビリを中心とした保存的治療(手術をしない治療)で治ります。野球で多い、肘、肩の故障でも一部の重症化例を除いては、まずリハビリを中心とした治療計画を立てます。治療としては、投球禁止による患部の安静、患部に対する炎症を抑える処置、そして復帰までのリハビリです。肩、肘の痛みは安静により良くなりますが、再発防止のためにもリハビリが重要になります。

〈 メディカルチェックで弱点を見つける 〉

 野球肘や野球肩などのスポーツ障害で来られた患者さんには、メディカルチェックを行っています。何をチェックするかというと肩、肘の評価、それに加えて、体幹や下半身の柔軟性チェック、片足立ちなどのバランスチェック、主要部位の筋力などです。しっかりと片足で立てない人もいます。ピッチングにしろ、バッティングにしろ、スポーツの動作の最初から最後までの一連の動きを「運動連鎖(うんどうれんさ)」つまり動作のつながりとしてとらえることが重要です。投球動作を例にとれば、ワインドアップで足を上げることから始まり、体幹を捻りそして肩、肘、最終的に手に力を伝達して行く一連の動きであり、正常ではその一連の動きが非常にスムーズに行われています。

メディカルチェックの様子

〈 肩・肘以外にも問題があるケースが多い 〉

 しかし運動連鎖のどこかに問題が生じると、たとえば足首の捻挫(ねんざ)の経験があり足首が固い、股関節(こかんせつ)の柔軟性が足りないなど、動作の流れのなかの一部に固さや痛みがあるとフォームが崩れ、最終的にデリケートな肩や肘に負担が来て、障害発生の原因になります。つまり肘・肩の故障の原因が肘・肩以外の部位、たとえば下半身にある場合もあるのです。実際、肘、肩の故障で来た選手では他のスポーツ障害の併発や下半身の柔軟性の低下などを高率に認めており、全身的なコンディションが肩・肘障害の発生に強く影響していると思われます。

 肩、肘の痛みがとれても原因となる他部位の弱点が残っていると再発するのも時間の問題です。メディカルチェックで弱点がわかればリハビリではその部位の柔軟性や筋力訓練を重点的に行います。またピッチングフォームの基本的なポイントもチェックし再発防止につとめています。

投球フォームのチェック

〈 故障がちな選手はチェックを 〉

 今年の日本シリーズ第2戦、日本ハムのダルビッシュ投手は左臀部痛のため歩幅を狭めて腰高で、ほとんど手投げ状態で投げていました。しかも、あとで右手人差し指の疲労骨折があったと報道されていました。運動連鎖から見ると、体幹である臀部、腰に故障があり、無理なフォームとなり、最終的にウデや手にかなりの負担がかかり人差し指の状態が悪化したと容易に想像できます。

 故障がちなスポーツ選手ではメディカルチェックをおこなって全身的なコンディションを評価する事をお勧めします。当院ではスポーツ現場でもスポーツチームに対して柔軟性を中心としたメディカルチェックやスポーツ障害の講習会を行っています。お問い合わせは当院理学療法室 岡までご連絡ください。

( 電話 075-491-8559 )
(e-mail: kyokei-hosp-riha@bz01.plala.or.jp)