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(7)膝の半月板損傷

2010年03月09日

膝の半月板(はんげつばん)損傷について

 前回は膝のじん帯の損傷について話しましたが、今回は同じくスポーツ外傷でよく見られる半月板損傷についてお話しします。半月板損傷はそれ単独でみられる場合もあれば、じん帯損傷に合併する場合も少なくありません。

 半月板は図1のように半月というより三日月の様な形をしており、内側と外側に向き合ってあります。これは一種の軟骨(なんこつ)でできており、正常ではゴムのような弾力性のある組織です(図2)。半月板の役割は大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)に挟まれて衝撃をやわらげるクッションの働きをします。また大腿骨と脛骨の関節面の湾曲にぴったり合うような形をしいるため、関節を安定させたり、ひざにかかる負担をできるだけ分散して脛骨に伝える役割もします。

図1
図1

図2
図2

 半月板損傷はスポーツでよく見かける怪我のひとつです。膝を捻った時に起こりやすく、じん帯と同時に傷めるケースも多くあります。またじん帯断裂を放置したために膝がゆるく不安定になり、そのため後になってから半月板が傷む場合もあります。半月板を傷めると、「膝が痛い」以外に、「膝が完全には伸びない」、「引っかかり感がある」、「動かすとクリッと音がする」などの症状があります。

 診断は診察に加えて、MRIなどの画像検査で行います。治療は小さな断裂では経過観察しますが、痛みの強い場合や続く場合には内視鏡手術をします。鏡視下に切れた部分を縫い合わせたり、それが無理なら切れた部分を最小限に切除することになります。(図3)

図3
図3

 半月板が損傷したために膝への負担の吸収・分散といった半月板本来の働きが低下すると、関節軟骨への負担が大きくなります。じん帯損傷でも同じく関節軟骨に悪影響を与える場合があります。軟骨への過度の負担が続くと変形性膝関節症となる可能性があります。変形性膝関節症とは軟骨が傷んだり擦り減ったりして「膝が痛む」「膝に水がたまる」などの症状のでる病気です。中高年の特に女性でO脚の方に多く認めます。じん帯損傷や半月板損傷の患者さんの中には、すでに20代、30代で軟骨が傷み、すぐに膝に水がたまるなど、若くして似たような状態になっている人がいます。こうなると非常に治療が難しくなります(図4)。こういった軟骨障害をできるだけおこさないためにも、膝をケガした場合には、スポーツ整形外科を受診して、半月板、じん帯など膝のケガの状態をしっかりと把握し、先を見据えた適切な治療を進めていく事が大切です。

図4
図4