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(11)「オスグッド病」

2011年07月08日

成長期の膝の痛み -オスグッド病-

 成長期の膝の痛みで多いのがオスグッド病です。正確にはオスグッド・シュラッター病といってオスグッドとシュラッターという2人のドクターの名前から来ています。特徴として、膝のお皿つまり膝蓋骨(しつがいこつ)から下に3-4cmのところのスネの骨の出っ張り (図1) に痛みがあります。この出っ張りを脛骨粗面(けいこつそめん)と言いますが、この部分が運動中や押さえた時などに痛むことで容易に診断がつきます。

図1

 この部分には骨端核(こったんかく)というまだ完全に成熟していない骨と軟骨があります (図2)。 成人になるとすべて骨になり丈夫になりますが、成長期では成長軟骨が残っており強度的に弱くなっています。またそこには大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の腱が付着しており運動時にかなりのストレスがかかります (図3)。

図2

図3

 成長期においては骨の成長がまず起こり、筋肉の成長がそれについていけず、相対的に筋肉は短縮しています。ある統計では12-15歳では70%以上の子どもが大腿四頭筋の短縮を認めています。ちなみに (図4) のようなテストをすると大腿四頭筋の短縮をみることができます。お尻と踵がつかないと大腿四頭筋は短縮しており柔軟性が低下しているといえます。この時期はスポーツ活動も盛んな時期であり、オーバーユースになりやすいため、脛骨粗面へのストレスはかなり大きくなっており炎症がおこりやすい要因がそろっています。

図4

 レントゲンでは未熟な骨に不整像を認めたりします (図5)。 炎症が強い場合、軽く押しただけで痛みが出る子もいます。 治療は大腿四頭筋の柔軟性を得るためのストレッチが基本になります(図6)。痛みが軽いときは運動前のウオーミングアップとストレッチ、運動後のクーリングとストレッチを十分します。スポーツに支障が出るような痛みでは、運動制限が必要になります。一律にスポーツすべてを中止するケースはあまりありません。練習の量を減らしたり、痛みの原因となった動作を避けるなど、症状と練習内容を照らし合わせて各人にあった指導をする必要があります。患部以外のトレーニングは可能であるので、選手のモティベーションを下げないよう練習内容を工夫することが大切であると思われます。

図5

図6