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(12)「発育期の腰痛」

2011年12月22日

腰椎分離症(ようついぶんりしょう)について

 発育期のスポーツ選手の腰痛でしばしばその原因になっているのが、腰椎分離症という病気です。背骨のなかで腰の部分を腰椎といいますが、この病気では腰椎の一部分で骨の連続性が途切れた状態になります(図1)。遺伝的な素因も考えらますが、最近では疲労骨折であると考えられています。一般人より若いスポーツ選手に高頻度で認められています。一般の発生頻度が4~6%であるのに対しスポーツ選手では8~15%といわれています。サッカー、体操、陸上競技(特に投てき競技)、野球、バレーボールなどに多く認められます。腰を後屈(うしろに反る)や回旋(ひねる)の動作の繰り返しで骨のこの部分にストレスがかかるのが原因です。

図1 腰椎の模型

 痛みは腰を後ろに反らすと強くなります。分離部に圧迫が加わるためです。また下肢の方へ痛みが走ったりする場合もあります。多くは腰椎の一番下の骨(第5腰椎)に見られます(80~95%)1)。レントゲンでは図2のように骨の分離が確認できます。左右両方または片方に生じます。しかしレントゲンでわかるようになるのは進行した場合です。早期ではレントゲンではわかりません。レントゲンでわからなくてもCTやMRIといった画像検査で確認できる場合があります(図3)。

図2 腰椎分離症のレントゲン(左)とシェーマ

図3 早期の分離症の腰椎MRI画像

 治療は分離部が癒合(ゆごう:この場合骨同士がひっつくこと)する可能性があるかどうかで若干違ってきます。分離部の癒合が期待できる早期の場合や片側だけ分離している場合は癒合を目標に治療をすすめます。コルセットをつけて数カ月のあいだスポーツを中止しなければなりません。痛みがなくなってもしばらくはコルセットをつける必要があります。一方、分離症が進行しており癒合の見込みの低い場合は安静により痛みがとれると徐々にスポーツ活動に復帰してもらいます。分離は残ったままですが痛みがとれればスポーツ活動はできます。

 腰痛にかぎらずスポーツ障害全般に言えることですが、最初に接骨院に行く人が多くいます。どこにいっていいのかわからないから接骨院に行く人もいます。しかし正確な診断は整形外科でないとつきません。早く診断をつけて早くから適切な治療をすることがスポーツの早期復帰には重要です。

参考文献 1)EBMスポーツ医学 西村書店