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第三のカード、オレンジカードに思う。(連載第98号)

2009年03月03日

 最近のニュースでFIFA評議会に一時退場を示唆するオレンジカード導入の検討が議題にあがった。しかしながら今回は見送られたという。私は結果どうであれ非常に興味深く思っている。今回はこの機会にオレンジカードの意味するところとイエロー・レッドカードについて再考してみた。

 このオレンジカードは、一時的な退場処分を意味していて、警告では軽いが、退場では重過ぎるファウルに対して使用する。ホッケーのイエローカードと同等でホッケーでは5分以上の一時退場を意味する。ホッケーでは、どの程度退場させるかは、その時の審判の裁量に委ねられている。

 この他今回の評議会ではハーフタイムを5分延長する案や副審4人制も議論された。現在ハーフタイムは、10分か15分程度と思う。それを5分延長することは、最近のテレビ放映でのCMタイムや、ロッカールームでの着替えと作戦タイムも考えて延長には賛成である。ダラダラと後半開始前の選手登場をこの延長でびしっと出来れば正解だ。(この件もまた今回は見送られた)

 副審4人体制も賛成だ。ラインズマンと主審が同時にダウンすることはありえる。高温多湿な環境変化に対しても4人体制は妥当だと言える。(今回はゴール裏でのジャッジの強化で4人体制には前向きな結論となった。)

 それではオレンジカードの話に戻ろう。現在の2種類のカードにもう一枚が増える。審判の負担は大きくなるのか、それともこの一枚が機能してスムーズに運営が可能となるのか、それに一時退場の時間も問題だ。審判によって退場時間がどのようになるのか、プレーの内容にも基準がどう現れるのか、いずれにしてもある程度の運用期間が必要で定着するには2シーズンはかかるかも知れない。今年採用されても来年のW杯に間に合うとは思われない。賛成とも反対とも言えない状況だ。ただ試験的に導入することは賛成であった。いろんな試験をして時代に合うサッカールールを構築すべきだ。

 現在のサッカーのファウルは、プレーにおいて不正であると理解された行為で、処罰方法には大きく2種類に分けられる。不正に対して相手にフリーキックが与えられるケースと本人に対してカードを提示して警告や退場を示唆するケースがある。その中でカードについて言うと、本人にイエローカードを掲示して警告を与える場合は、7つのケースがある。

本人にレッドカードを掲示して退場を命じる場合も7つのケースがある。

などである。

 ではオレンジカードの場合は、具体的にどのような行為が対象になるのだろうか、導入に賛成な方も核論になれば、気持ちが揺れる。現在のレッドとイエローのすみわけが微妙に変化してくる。現在故意の肘うちは一発レッドカードに値する。故意でない肘うちはどうなのか、この場合は通常のファウルである。同じ肘うちでも歴然の差がある。故意かどうかはレフェリーが判断する。

 フリーキックの距離不足はイエローカードである。そのプレヤ―が続いて遅延行為を行った場合は、オレンジカードになるのだろうか、それともレッドカードになるのだろうか、いままでの2種類のカードの采配が3種類になることで様々な組み合わせが生じてくる。レフェリーにも心身のベストが求められてくる。

 結果はどうであれ近い将来にオレンジカードの導入は、いろんな意味で興味深いことだった。長い目で検証する必要がある。