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南アW杯アジア最終予選ウズベク戦に向けて(連載第102号)

2009年05月22日

 昨日、日本協会は、ウズベク戦へ向けて日本代表を選出した。広島の槙野や浦和の若きMF 山田直輝が初選出された。(敬称略)その他ヨーロッパから本田圭祐、鹿島の興梠が名を連ねている。もちろん松井や遠藤、二人の中村も呼ばれているが、岡田監督ははっきりと勝つためのメンバーと言い切った。

 私は、浦和の山田直樹の非凡なプレーには感心しているが、またしても小粒な選手が前線に張るのかと疑問に思う方が勝っている。今の日本のサッカー界の裾野では、技術論が先行していて体育会系のノリは消えうせてしまった。もちろん楽しめるサッカーには異論はない。楽しく世界で勝てたら文句はない。

 今度のアウェー、想定できることは荒れたグランドと季節はずれの天候。そして、予測できない空気が漂う敵地である。飲み水、ホテルの部屋、風呂とトイレ、食事内容、待ち時間、練習会場、芝の長さ、デコボコのグランド、停電、送迎バスの遅延、入国審査、荷物の紛失、連絡できない通信環境と想定しえる悪環境は山ほどある。

 足元の技術で突破するタイプの若きスターでは、相手を威圧することは難しいだろう。その上に想定外のことが待っている。敵はホームのメンツにかけて日本を粉砕するつもりだ。戦士には戦士で対抗する以外にない。では日本に戦士は何人いるのか挙げてみようか、遠藤、中村、松井、中沢、闘莉王などだろう。やっぱりいつものメンバーになってしまう。戦いのスタートは切っている。いろんな準備が必要になっている。

 ウズベクの前の二つの親善試合は意味をなさない。意味をなすために、ここで新人を積極的に投入したらどうだろうか。そしたらひょっとして新しい戦士が現れるかもしれない。もう一度言うと、いつものプレーができないグランドと空気。そこでいつも以上の力を発揮するための戦術と練習を今問いたい。

 1975年7月。今から34年前に書いた社内新聞がみつかった。最後にその記事の一部を紹介してみたい。『「いい仕事をしようとしたら予備行動をしろ」これは忘れもしない言葉です。高校時代サッカー部にいた私に監督が言ったアドバイスなのです。「いい仕事」とは、「いいプレー」のことで、いい仕事をしようとしたらいい準備が必要であるということなのであります。まぁそのころ私は必死になってグランドを右へ左に走り回っていました。(途中略)・・・・体力・気力・スピード・頭脳そしてボールを自由に操れる体と技、これらすべてが優れていなければならないのです。しかし、私にはもうひとつ大切なものがあると思うのです。それは「意外性」という言葉です。ひとつのボールにより多くの可能性を作れるチームほど優れたチームはありません。「結果を恐れずにシュートを打て」これも監督の言葉ですが、まさにその通り意外性を生み出すには結果を恐れずにものごとに取り組むことだと思います』

 岡田ジャパン。負けられない戦いが待っている。結果を恐れない戦いができるのだろうか。山田直輝君意外性を見せてくれ。