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ハラハラ・ドキドキの連続だった。南アW杯本戦出場を祝いたい!(連載第104号)

2009年06月08日

まず第一に、

 昨晩のウズベキ戦は、想像したとおりのアゥェイの洗礼を受けた。事前のキリンカップの2試合とは、まったく違った展開だった。あの時のスムーズなパス廻しはまったく見られなかった。想定どおり芝の長い重いピッチだった。日本代表はいつものプレーができない。スピードに乗ったワンタッチパスでの展開は前半の立ち上がりだけだった。しかし、そのチャンスにラッキーボーイの岡崎が働いた。これまたトップ下で先発した中村憲剛の軟らかいパスに反応した。その上、倒れたところにボールが跳ね返ってくるというツキまで持っていた。彼の実力が幸運を呼んだ。貴重な得点だった。日本代表が最速でW杯の出場を勝ち取る得点としては誰も想定しなかつたシナリオだった。

 そしてハラハラ・ドキドキの連続であった。いやおうなしにゲームの中にのめりこんだ。その上、レフリーの異様な判定が続く。しかし、これは想定内だった。岡田監督が怒るのも想定内である。怒りをぶつけることが、唯一の監督のアピールでもある。それをいかにスマートにできるか、監督の技量が問われた。今思えばあのレフリーは、ウズベキに対してPKを与えなかったし、ロスタイムも異常に長時間取らなかった。まあ、アウェイとしては、想定内の審判を下したのではなかろうか。この程度で憤慨していては始まらない。

第二に、

 帰路のチャーター便、選手に協会にサポーターに同一便での凱旋帰国というイキな計らいだった。忘れてはならないのは、メディアも同行していたことだった。ヨーロッパでは良くあることでチャーター便に選手、NA、スポンサー、マスメディア、サポーターが同乗する。その上、長丁場だったら選手の家族も同行することがある。一機にのれる人数は250人程度。選手、役員だけでは、輸送コストをまかないきれない。非常に合理的な輸送方法であった。それに三方よしの精神である。

第三に、

 これからが正念場、前回のドイツ大会、日本国民の記憶に新しい。ベスト4という言葉が聞こえてくる。地元開催でないベスト4はありえるのか、そんなにあまくないのが現実だろう。しかし、今は本戦ベスト4を掲げるのが戦略として良い。日本の上に何チームいるのだろう。ブラジル、アルゼンチン、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、英国、デンマーク、セルビア、オランダ、メキシコそれからまだまだある。本戦では彼らが星の潰しあいがあって、日本にラッキーな取り組みが実現するのだろうか。大型FWの短期育成は私の悲願だ。職人のサイドバックも長年の悲願である。

第四に、

 これからの一年が楽しみだ。選手は本戦に選抜されるための戦いが待っている。過去に落選したスター選手は多い。次回はだれが落ちるのか、FWもMFもサイドバックも選手がダブっている。どんぐりの背比べではベスト4は期待できない。意外性のある選手がほしい。そして、協会役員やスタッフには、本戦の抽選会(12月)、そして会戦地の決定、キャンプ地の選定が続く。ワークショップ(来春)という場での開催国との駆け引きが残っている。日本からの輸送、滞在地、食事等安全性の確保等多数のミッションを実行しなければならない。

 今回は南半球で季節は逆である。晩秋から初冬の地中海性気候でサッカーをやる季節には適している。決してアフリカの乾燥した気候ではない。18世紀にヨーロッパ人の移民によって確立された国である。その時地中海性気候(冬は温暖で比較的多雨)がヨーロッパの作物を育てるきっかけを作った。この住みやすい季節が移民の精神的な支柱になったことであろう。しかし例外もあるヨハネスブルグは内陸性気候であるし北部地域は砂漠化した地域である。

 そして最大の問題は治安の悪さにある。治安は民族問題や経済格差が根源だ。日本では想定できない治安対策が必要になる。そのことから考えると2014年のブラジル大会も同様かもしれない。しかしブラジルでは150万人の日系社会が存在する。南アでの日本人社会は無く日本人定住者は少ない。アパルトヘイトの時代に経済的な配慮から日本人は名誉白人と称して優遇された。さまざまな点を考えると、南アにおける日系の窓口が必要である。日本人コーディネーターが必要である。このように多くの問題点があって少しずつ見えて来るのである。この一年に代表を送り出すための山ほどのプログラムが組まれ、解決しなげばならない。

最後に、

 これから南アで開催されるコンフェデレーションズカップ(各大陸の優勝チームによるW杯の前哨戦) の現地視察も重要になる。日本代表は前回のアジアカップで優勝を逃していて出場権はない。しかしW杯の季節の感触、ピッチの状況、キャンプ地の下見を兼ねた大会の調査は重要なことになっている。協会内部の動きに注目したい。すべて我が代表の勝利のために・・・・・。