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久保と平山そして名古屋のケネディについて。(連載第112号)

2009年10月02日

 私は久保こと久保竜彦を忘れることはできない。かつて青春時代に抱いた釜本さんへの想いと共通している。久保のプレーを振り返るとその躍動感と意外性とが混ざっていて、体の大きな強い相手に対して啖呵を切ったような満足感が漂う。彼の豪快さは天性とも言うべきものなのだろうか。

 前回のコラムで第二代表を別途選出し、裏代表として選考するという前代未聞の提言をした。W杯までの現体制と残り期間を考慮するとますますきびしくなってくる。ドイツ大会で敗退した時から3年以上もあったわけだが、真の強化につながってこなかった。オシムのことがあったのは史実だが、残された日本人社会では現状維持がやっとだった。新しい人を底辺からでも掘り起こす情熱と勇気を持った人が現れてこないのだろうか。

 私は、まだ平山相太をあきらめていない。あの190センチの長身が魅力なのだ。先日のAFCチャンピオンズリーグ名古屋対川崎の試合、名古屋のFW ケネディのプレーに驚嘆した。私は、194センチの長身の彼を過大評価していなかった。荒いプレーのでくのぼうとでも思っていた。失礼なことだった。彼は、長身にもかかわらず、前線から守備もできたし、ポストプレーもできた。その上、攻撃では、いつもターゲットの位置をキープしつつ最善のポジションを保っている。相手DFに対しても半身でも先に体を入れてボールに触れる姿勢がありありと見える。その結果、ゴール前で簡単なこぼれ球を押し込むことができるのであろう。

 私は、平山にケネディ2世を望む。それは、最近のJリーグの試合ですばらしい平山のシュートシーンを見たからだ。ハーフライン付近で味方からのパスを受けた平山は、トラップしつつも体を開いて反転しボールを前に移動させ、次のDFのアタックをかわしてミドルシュートを放った。残念にもボールはポストに阻まれたが、あの一連のシュートはワールドクラスだと思った。

 昨日、10月の3試合に対しての代表候補の発表があった。目新しい人もいたが、驚嘆する人選でもなかった。期待しすぎると結果の反動が大きい。相変わらずFWは小粒だった。3試合あるから大胆な人選を願って止まない。(いつも後になって思うことがある。登場する選手名に敬称を付していない。要は呼び捨てになっている。決して敬意を失っているわけではない。いつも客観的に見ている。だから敬称を略している。このことは特段お許し願いたい。)