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最近の2試合と近づくW杯に向けて(連載第115号)

2009年11月19日

 昨晩のアジアカップ予選香港戦は4-0の勝利だった。目を見張る動きは岡崎だった。前半の終了間際のプレー、縦パスに反応した岡崎は、ゴールへ向かって突進したが相手DFに体を絡まれて倒された。通常ならばPKをアピールするところだが、岡崎は瞬時に立ち上がってこぼれたボールをコントロールすると松井に流した。結果、松井のシュートは間一髪相手CBの足に当たって外にこぼれる。

 この岡崎の果敢なプレーを取り上げたい。海外では、簡単にPKを取れることはない。つまり審判のPKの基準がきびしいのとプレーが激しいことが当たり前だからだ。その上、倒されたFWがPKをせがむ行為に主審は笛を吹かない。岡崎は倒されてPKをとるよりも次のプレーに賭けたのだった。この意識が大切で、彼はすでに世界的なFWの仲間入りの条件を満たしている。この一年の代表のゴール数も15点となって、あの釜本さんと並んだ。 (私は、三浦カズと思っていたが)

 その前の南アでの親善試合は0-0のドローだった。私が感じたことは、やはり代表には中村俊輔が欠かせないということだ。後半途中からの俊輔のプレーは、単調だった代表のプレーに一種独特の間合いを作って、その間合いにFWの飛び出しを誘発する。その上、彼らにピタリとスルーパスを送れるのである。ワンプレーで状況を変えられる選手である。結果0-0には、満足している。コンフェデ(アジアカップ1位のみ参加) に参加できなかった日本代表にとって初めての現場体験だった。

 気がかりもある。大久保、松井が貴重なシュートを大きく外していることだ。今回の2試合でもゴールを生まれていない。ドイツ大会の柳沢のような凡プレーを誘発する不名誉は避けてほしい。今回の遠征においてテレビ放映外にいろんなシミュレーションが設定されていた。移動のテスト、練習会場、宿泊施設、食事、グランドの状態、飲み水、安全確保など多彩なシミュレーションがテストされた。貴重な遠征だった。

 間もなくW杯参加32チームが確定する。速報では、フランス、ポルトガル、スロベニア、ギリシャ、アルジェリアが予選を突破し本戦出場を決めた。いよいよ12月5日(日本時間)にケープタウンで本戦抽選会(ドロー)が行われる。ここで日本の相手国と戦場地が確定する。運命の抽選会だ。この抽選会は通例12月に行われ、一大イベントとして世界に放映される。日韓大会の時は韓国の釜山で開催された。

 この後の大会スケジュールは以下のようになる。

その一次リーグの相手国が間もなく決まるのである。以上簡単にW杯の運命の流れを説明した。2001年から2002年の夢のような時間を思い浮かべながら整理した。

 今回の最後に、現時点の私の23人を選出してみた。決して他意はない。

2010年W杯メンバー
  位置 選手名 スタメン 23人枠
1 GK 川島永嗣  
2 DF 中澤祐二  
3 DF 田中闘莉王  
4 DF 徳永悠平  
5 DF 長谷部 誠  
6 MF 遠藤保仁  
7 MF 稲本潤一  
8 MF 中村堅剛  
9 MF 中村俊輔  
10 FW 岡崎慎司  
11 FW 森本貴幸  
12 GK 都築龍太  
13 GK 山本海人  
14 DF 岩政大樹  
15 DF 内田篤人  
16 DF 今野泰幸  
17 DF 阿部勇樹  
18 MF 本田圭祐  
19 MF 松井大輔  
20 MF 石川直宏  
21 MF ◎新人  
22 FW 玉田圭司  
23 FW 大久保嘉人  
  ◎新人=サプライズメンバー・ワンダーボーイ

 中立的に観察した現時点のメンバーだ。ただし、怪我がない状態が絶対条件だ。今代表で活躍している選手も数名は外れた。それは最強の世界相手では、今ひとつ満足に足りるプレーが期待できないと判断した。

 GKの3名のうち1名はベテランを選んだ。その一名に苦心した。それにこれからの数試合でずば抜けたパフォーマンスを期待して選定した選手もいる。長谷部を右のサイドバックに抜擢する構想は、私以外にも聞いたことがあった。長谷部の運動量を期待した構想だ。これによって稲本が先発で出せる。中盤の底が安定し、遠藤が生きてくる。今の長谷部の動きは二人の中村が受け継ぐことになる。早めの長谷部のコンバートを試すことが必要だ。

 ひとり、これからでも現れる新人の選出枠を作った。だれかはわからない。もし現れないときは、外れた中から一名選出することになる。この新人か岡崎がワンダーボーイにならないと一次リーグの突破は見えてこない。